思考力

『海と山の境目』

pastedGraphic.png『海と山の境目』

実際には視えないけれど、線を見出せる。未来の関係性。例えば、新しい学校、会社、会合などの普段とは違う環境に身を置くときには、必ず未来に繋がりを見出すことになる。向かう先の環境に相手が必ず存在するのだから、自分の意思とは関係なく相手と「線」が繋がることになる。誰しもがどんなに孤独とはいえ、人は必ず何かとつながっていなければ存在することはできない。これは真実であり、真理である。現在、かたくなに心を閉ざしてしまっている人たちは、過去の繋がりに失敗をしてしまい、そこに恐れを感じているから動けなくなっているはず。もちろん、人それぞれの生き方や価値観があるのだから、人の過去の生き方を私の独断で断定することは、避けなければならない。

最近始めたYouTube動画企画の【クルマde英GO❗️】では、「0から1」の話をすることが多くなった。最初の踏み出しには多くのエネルギーが必要であり、そのイニシャルパワーが加速力となってスピードに乗っていく。物理学的に言えば、“慣性の法則”。この法則には、3種類の考え方ができる。一つ目は、乗車している乗り物が急発進したときに、グッと後ろへ引っ張られる感覚。二つ目は、ダルマ落としで、ダルマの一部分の木篇を思い切り叩いたとき、打たれなかった木偏は何事もなかったかのようにストンと真下に落ちる。三つ目は、斜面に物体を置き、重力で物体を前へ進めようとした際、密着面が紙ヤスリや砂利のような面の粗ければ、すすむ物体の速度が弱まり、氷のような滑らかな地盤であれば停まることなく、物体は滑っていく。

pastedGraphic_1.png私は精神科医でもなければ心理カウンセラーでもありません。でも、英語教育のプロとして学習の機会を提示することはできます。

少し話を脱線させてみよう。郵便配達員や、新聞配達員が使用している原付自転車は「スーパーカブ」であることがほとんどだが、なぜカブが好まれて使用されているかを考えたことがある人はいるだろうか。私は、ファッションとしてスーパーカブを所有していた時期があったのだが、バイク屋の店長から面白い話を聞いた。「カブの魅力は、ローギアからセカンドに入る力が半端じゃないんだよ」と聞き、ストップアンドゴーを繰り返す日本の道路事情の配達員ならば、この原付を使わない手はない。謎が解けた。しかも自転車のように小回りが効き、左手のクラッチがないので配達物をポストに投函するのも容易であり、なんと言っても恐ろしいくらい燃費が良いのだ。カブのオーナーが口を揃えて言うことは「最後に給油した日を忘れる」と言うセリフ。実験的にビルの2階から放り投げた時でさえ、カブの心臓部分のエンジンはビクともしなかったという実験結果もある(一般人が放り投げることは厳禁!)。配達員にとってこれほど役に立つ相棒もいなかろう。

pastedGraphic_2.png海を眺める大きな単車のカッコ良さ。どんな大型バイクにもできない魅力が満載のカブ。

さて、話を戻そう。多くの人は「人生には起伏がある」「波がある」「どん底から立ち上がろう」と言う。かくゆう私もそのように自己暗示をかけたり、ありきたりではあるが、相談者にそのようなアドバイスをしてきた。もちろん間違った考え方ではないが、慣性の法則という視点で人生を考えることもできるのではないか。人生はストップアンドゴーの連続であり、初速には一番エネルギーを使う。ダルマ落としのように同じ場所に落下してしまったり、滑ることもないような崖の斜面ような道で進んでいくわけでもない。人生で生じるアクシデントには、「時間」という流れが必ず動いているからだ。初速で後ろに引っ張られるような感覚に驚くこともありつつ、実際にはその速度に合わせて自分も前に進んであることも事実で、接している面が滑らかなのであればある程、スムーズに物事も加速していく。やはり、「波」の考え方を「動力」の発想に切り替えると何やら上手く物事が解決する気がしないだろうか。少なくとも、自分が発信している【クルマde英GO❗️】の企画で初速のパワーの入れ方に関して同じようなことを述べているうちに、自分自身の考え方そのものが新しい切り口を見つけたようである。「0から1」が一番チカラが必要であるという事実は、日常生活で嫌でも眼に入ってくるスーパーカブが嫌というほど語りかけてくれる。私の動画やBlogよりも説得力が桁違いに高いとも言える。

今日、心に闇を抱えて心を病んでしまった人たちや、精神に障がいがある方の住居探しをしている方と話をする機会があった。初速をつける準備が万全に整っているにも関わらず、精神の疾患を抱えている人たちに部屋を貸してくれるオーナーがいないというのが現実だと言う。私ができることと言えば、閲覧だけなら無料である自分のホームページを紹介し、自分の中にある「自分」を社会と積極的に関わることを目指している予備校であると言うことを知ってもらい、打算的な考えを一切排除した状態で、入会するしないに関わらず、ホームページを見てもらうことだった。あと一点。私が書いた小説『海と山の境目』の在庫を記念に受け取ってもらうことだった。障がいのある方の物件を真剣に探している人に渡せる自分ができる手助けは、その程度だった。

pastedGraphic_3.png挿絵は全て筆で手書きで描いた

仮に、人生を前向きに進められる慣性の法則のキッカケを渡せたのであれば、私としては何物にも変えがたい宝物を渡せたことになる。30部で絶版となった私の自費出版本。抽象的で筋書きすら分かってもらえないような話なのだが、私の以前のブログ記事の「ワインとナッツ−−−直前期に日々綴ル...」を読んでもらえれば、少しは物語の内容は分かってもらえると思うし、最後の「@@@」のメッセージの返信を描いたのが誰だかは理解していただけるはず。これからも、自分自身が新たに発見したことを自分自身の新たな視点として、喜んで皆さんに伝えていきたいと思います。

pastedGraphic_4.png最終章の女性をイメージして書き続けた

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