思考力

自分越運動

イメージだけは先行していた「引っ越し」だが、この1週間で一気に現実味を帯びることとなった。計画では、徐々に摺具を増やし、車を買い、海へ山へとドライブに行くつもりだったのだが、やはりそこまで甘い世界ではない。極度の騒音恐怖症の私は、とにかく鉄筋コンクリートのマンションを探し、バストイレ別、室内洗濯機置き場があるところに絞り、内見をしていた。

そこの不動産屋の店長が、私を案内することになったのだが、今まで喰らってきた不動産業界の闇を知っていたので、遠いところから冷静に自分の考えを確かめ、あるだけの賃貸契約における知識をフル装備して、物件選びをしていた。「心は弁護士、裏は詐欺師」なんていう言葉が、不動産屋全体で言われているようだが、全員が全員とも、そうであるとは限らないようだ。事実、見積もりを作ってもらった段階で生じた疑問に性格に応えてくれるいい営業マンであった。

もし、審査が通れば、千葉ニーズ生活とは、おさらばとなる。良くも悪くも多くの経験をさせてもらった。自転車で死にかけたり、金がなくて上かけたり、孤独で死にそうだったりと、多く障壁もあれば、それを上回るほどの喜びだって、確かにあった。これから、東京23区に舞い戻る訳だが、その物件は、その会社で配属になる支教室の最寄駅だ。ここまでくると、強い運気が渦を巻くかのようで、少し怖いくらいだ。もちろん遠慮などせず、自分に与えられた恩恵は、素直に受け取ろうと思っている。

遅くまで勉強して、酔っ払いの溢れた繁華街を通って帰るような質の低い教室ではない。しっかりとした住宅街に、しっかりと整備された教室であった。やはり、今度入社する塾であっても、最高の状況を大いに受け取ろうと思う。失敗したらその時考えればいい。無責任と思われるのかもしれないが、好調の波にのらないで、プカプカと海面に浮かんでいるだけであれば、確実に潮の流れに飲み込まれ、行き先すら無くなってしまう。自意識があるうちに、しっかりと自分を昇華させられる人生を歩みたいと思っている。

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