思考力

竜宮城で弾くキーボード

長く眠れたからといって、必ずしも精神的に安定するのかといえば、なかなかそうでもなく、今日は起き抜けから強いフラッシュバックが生じてしまい、それを抑え込んで冷静さを保つことは難しかった。とりあえず、昨日カスタムできなかったスケボーを海沿いまで持っていって滑り、12月とは思えないような気温の中で、いつもはほとんど車がない駐車場も多くの車があって、それを配慮しながら風を切り抜けていた。でも、やはり精神と肉体はリンクしているし、気持ちが上がらなければ、そもそもの体を動かそうというモチベーションも上がらないので、今日は運転に比重をおこうと思った。

もう、YouTubeでの耳学も慣れ切ってしまったのか、それとも最近の精神状態の不安定さからなのだろうか、今日の音声学習は、ほとんど頭に入ってはこなかった。運転とスケボーと耳学で、残りの人生は満足できるとも思っていたのだが、やはり好不調というのはあるし、どんなに打ち込める趣味であっても、飽きるということからは離れられない。特に、熱しやすくて冷めやすい自分にとって、この「飽きる」という悪癖は、十分に気を張っておかなければならない。

スマホのメールには、スケボーの工具が届いたという通知があり、コンビニに取りに行くという便利な機能を使って受け取りをしたのだが、工具の他に受け取れるはずのパーツが、どうしても受け取りバーコードが表示されず、配送元やアマゾンにも連絡したのだが、結局は受け取りが困難な状態だったのだが、自分の回らない知識とインターネット検索の力をフル回転させて、何とか商品を受け取ることができた。店のレジの配送物にあるアイテムを取るだけだというのに、受け取るための手続きのメールが開封できないというだけで、イアライラしながらコンビニの駐車場で電話やら、チャットサービスを利用しても、全くラチが開かなかったのだから、あまりにも快適すぎる仕組みにも、まだまだ抜け穴のようなものがあると感じてしまった。

もう、どっぷりと日が暮れている中、足回りを猛カスタムしたスケボーに乗ってみると、まるで板がドラゴンのような感じでうねる。蛇ではない、ドラゴンの上に乗っかっている感覚。昭和の日本昔話のオープニングの映像と言って、どれほどの人が理解してくれるのかはわからないのだけれども、まさに竜の上で、竜を足で操作している感触に興奮した。このチューニングされた相棒と、明日、海辺の駐車場で舞えると思うと、なかなか自分の心の中で、気持ちも踊るような感覚になる。商品の性能と、自分のイメージが、あまりにも一致し、それをも上回るような出来栄えだったので、さらなるカスタムパーツまで注文してしまった。商売戦略に乗っかったというよりも、自分の中で、もっと高い次元のスケボーに昇華させたいという気持ちが強かったからの注文だった。

いまいち仲良く慣れなかった加湿器の操作も慣れてきて、フロアライトの消灯の仕組みも理解できてきた。今の家電は、かなり感覚的に操作できるということもあり、自分といかに関わらせて機能を使いこなせるかということも大事になってくる。そして、それを使いこなせるようになって、さらに追求したい機能が出てくれば、それを求めていけば良い。高級腕時計が欲しかった時期があったのだけれども、アップルウォッチを装着し、その機能を使いこなしつつある自分は、当時の自分の愚かさを痛感する。仮に、高級ブランドのロゴマークが、時計板に刻まれていたとしても、その時計が睡眠を計測してくれるわけでもなければ、ボイスレコーダーを発動してくれるわけでもない。つくづく自分がアップル信者であってよかったと思う。

今、部屋の明かりは、プロジェクターの光と、フロアライトのみ。音楽はiPadからプロジェクターに反射させている装置からミラーリングして、カフェのBGMを流している。iPhoneから、先ほどのアイテムの受け取り確認通知メールが届いた。もはや、自分の力で、自分自身で創り上げることのできる最高のビジネスホテルの完成だ。別に、都心の真ん中にあるホテルでなくとも、外房のワンルームアパートで、「それ」を再現できるし、そちらの方が、自分にとってはお似合いだ。別に自分を卑下するわけではない。明日になれば、自分の愛車に、自分の竜を乗せて、海辺まですぐに走っていけるのだから。

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