思考力

買って得る利益

 

消費するという観点からも、日本の金の流れの方向は大きく変化を遂げようとしている。これは世界的な観点からでも同じことが言えるかもしれないし、少なくとも、経済の流れに敏感な人は、その傾向が180度変化していることが徐々に分かりつつある。今までの常識的な価値観というのは、客が店舗に対して欲しい物を買って商売が成立していた。それが、最先端のビジネスにおいては、もはや逆転現象が起こっていて、店側が客に対して商品やサービスを「買ってもらう」という考えに移行してきているのである。私の業界で言えば、かつて名前としては二流だった東進ハイスクールが、ビデオオンディマンドで自分の受けたい授業をカスタマイズして受講できるシステムがそれに当たる。

YouTubeは、その際たるものであり、顧客の視聴回数が供給者の動画に対して時間を割いてくれれば、供給者には広告料金が支払われるのである。ビジネスという尺度の変化は凄まじいものがある。これらを先読みして、次に儲かるビジネスを見つけられるか否かというのは、今後の食いっぱぐれを逃れるキーポイントとなるはずだ。安定して人生を送る人が、今までの生活を維持しているだけでは、最も不安定にならざるを得ないという逆転現象さえ起こったと言える。

今が楽しければそれでいいという言葉を遣っているのであれば、その言葉を禁句とし、周りから後ろ指刺されるくらい冷たく非常な人間であることも大切なのだろう。この事実に目を背ける人は、いつでも人生が詰んだ状態へ進むばかりとなる。これからの大きなビジネスの聖顔の鍵の絶対原則は、物を売ることではなく、やはり客から買ってもらうという流れになる。ここをシッカリと認識できるかどうかで、青天井のチャンスを掴めるかどうかにも大きく関わってくる。努力せずに成功する方法というのは、極々稀なケースであり、そのように努力をしなかったと自覚して成功した人も、後付けで説明することができないくらい、過去に頑張っていた時期があったはずなのである。

心に突き刺さったトゲを引っこ抜くのは、強い痛みを伴うのかもしれないが、モヤモヤしてその先へ進むことができなくなってしまうのであれば、やはり挑戦するという素晴らしさを伝えられるほどの忍耐力と努力の成果を出せなければならないはずだ。今一歩を踏み出す勇気を己の身をもって与える姿勢でいれば、自分の何処かへ潜在的に眠っている何かを買ってくれる人が現れる。そのような人の獲得こそが、これからのビジネスの流れとなるのだ。

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