思考力

対象に触れて理解する

起きるのが、とても辛かった。とはいえ、これは最近では、もはや当たり前のこととなってしまっており、もし私が会社員であれば、強制的に起きなければならないので、むしろ睡眠リズム的には整っていたのかもしれない。とはいえ、今のフラッシュバックの酷い症状や、過去の記事を振り返ってみても、とてもあのような悲惨な会社員には戻りたいと思えない。働ど働けど収入は増えず、身体に悪い食べ物を腹に入れて、その勢いで眠るという状態が続く。最後の方はもはや、痛みすら感じずに生きていた。まさに飼い慣らされた牛のような状態だった。だからこそ、ブラック企業やDVで苦しんでいる人たちの「麻痺した感覚」というのは怖い。これで、自分が悪いという錯覚ばかりが先行して仕舞えば、とんでもない末路を歩むだけだ。

ここまで酷い睡眠障害の症状が出てしまえば、睡眠改善を第一に考えなければならないと思い、マットレスを購入することに決めた。実際、昨日店舗まで足を運び、真剣に選別することにした。千葉の大手百貨店の寝具売り場には、5店舗ほどの寝具メーカーがあり、それぞれを納得のいくまで試してみた。地元で試した寝具は、一流メーカーの寝具ブランドだったのだが、やはりネームバリューで価格が吊り上っていた様で、しっかりと下調べをして展示品を試せば、メーカー問わず一長一短だった。

ひとつだけ、ベッドに座っただけでピタッと自分のイメージに合致した商品があり、その後も他のメーカーと比較してみたが、第一印象でほぼほぼ決まっていた、そのマットレスに決めることにした。購入した後に、ネットで口コミ等を調べてみると、高い評価は得られずとも、そこまで酷評も見られず、実際に体験して分かることも多くあるのだという経験は、とても大切にしたいと思った。もちろん、まだその寝具で一睡もしていないので、私の選択が完全に正しかったのかどうかはわからないけれど、実際に毎日使うものは、先日の車のタイヤの洗濯も含め、とても重要だ。

確かに、インターネットは便利で、しかもネットショッピングというのはお手軽である。けれども、自分の眼で見て、触れて初めて感じ取れることもある。この部分に関しては、持ち家か賃貸かの議論に近いものがあるし、時代の流れとしては、時間対効果を考えれば、ネット注文が便利なのだと思う。でも、多くのインフルエンサーが大絶賛しているマットレス が、全く合わなかった経験もあるし、結局のところ、何かを手に入れるときには、それを使用して初めて分かることというのは多い。闇雲に、口コミを信じたり、値段に比例するものだと考えるのは良くない。

これを、生きる上での価値という方向へ落とし込んでみたらどうだろうか。世間で言われている様な、経済的困窮者に対しての酷い言われ方であっても、実際に当事者の中には必死に人生を模索していて、そこから這い上がろうと必死になって生きている人もいるし、富裕層と言われる中の人が、その逆の生き方をしていることだってある。これは、紛れもない事実だ。だから、社会的地位の中をブランド化して均一にすることなく、その人そのものが持っている魅力を考えるという、一種の理想論とも思える考え方を持つのは、とても大切だ。やはり、実際に触れて体感するという面で、その考え方というのは、大切にしなければならない。

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