思考力

対立方向エンジンの作動

週一回だけ雇用関係にある塾で働いている。昨日は、その塾で指導をしてきた。たとえ、大学受験生であったとしても、その受験生が通う高校の教科書程度であれば、初見の状態でアドリブで授業をできる。やはり、曲がりなりにも、自分が積み上げてきた知識と経験の恩恵を受けているという実感が湧く。もし、自分が無駄にしてきた時間と、周囲のプレッシャーを跳ね除けるだけの精神的なタフさがあれば、私はどれほど高いところまで上り詰めていたのだろうか。

私は、1年間担当した受講生に対しては、必ず「羨望は愚かなり」という話を、あるエピソードを交えて語るのだが、人間、誰しもが羨望の感情というエンジンブレーキを持っている。ただ、ここでは、エンジンブレーキという表現を遣いつつマイナスの感情であると表現したが、人を羨ましいと思って、一念発起するというケースもある。稀なケースとはいえ、この前へ進むことのできるエンジンの稼働は確かに存在する。

私と講師デビューを同じくし、一心不乱にその道で努力をし続けた友人が、もはや私の手の届かぬ位置に上り詰めた。自分は、その友人に対して、羨望することすらできず、彼が一体どこまで高いところまで到達するかを見守るだけである。高く上り詰めた彼には彼にしか分からないプレッシャーや過酷な人生の波乱があるのだろうが、そこを隠すかの如く活躍する彼の姿勢も胸を打たれるものがある。

私をバカにしてくる輩もいる。彼をバカにする奴もいる。そのような人たちは、きっと寂しいのだ。自分は、絶対正義だと主張してしまえば、活躍している人や、落ちぶれてしまった人、自分を追い抜こうとしている人の存在が疎ましく思えてしまう。SNSが発達した現代、このような輩がウヨウヨ出てきたことは間違いない。そして、それを機に自分を酷く追い込んでしまった人も多数いる。まさに、そのような輩は、誰かを強く「羨望」し、自分の人生に急ブレーキをかけていると言わざるを得ない。

今の私は、あまり良い状況ではない。それどころか、深い谷底へ落ちる寸前なのかもしれない。その時は、まずゆっくり休むこと。そして、とにかく行動すること。行動することで、見える何かがある。その何かに向かって努力している中で見えてくる目標だってあるかもしれない。同じ場所に留まり過ぎた。特に、今年の2月1日から。それならば、立て直せる部分をしっかりと見つめつつ、一念発起できる部分は立て直して行こう。

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