思考力

求物

「待つ身は長い」というが、今、コーヒーを淹れていた時の待ち時間は、大袈裟にいうと「至福の時」で、誰かに理不尽に待たされている時間というのは、大袈裟にいうと「煮えたぎる時」である。昨日は、後者の時間が過ぎ去った一日であった。朝から部屋を掃除し、夕方には眠気が来るようになった体質を大切にしたいながらも、新しい机の搬送業者がミスをして、本来なら15分で済むはずの作業が、2時間以上かかってしまったのである。

あるパーツが2つ足りないということで、作業が進められないと言う。搬送業者と店舗とは、本来無関係なのだが、搬送業者にネチネチと愚痴や嫌味を言っている自分に嫌気もさしてきたし、パーツを持ってきた店舗の従業員が来た頃には、もはや怒こる気力も無くなっていた。ずっと楽しみにしていた机の到着だったため、とても残念なお出迎えとなってしまった。

とはいえ、今回、大きな家具の仲間入りをしてくれた机は、今まで作業していた簡易的なモノとは違い、MacBookとiPadを、悠々と横一列にしても有り余る面積を誇り、付属でデスクライトまで付属している。このライトは、Macのキーボードを乱反射させてしまうので、あまり有り難いとは言えずとも、書籍で学習するときには、大いに役立つと言えるだろう。

若い頃、とにかく洋服やアクセサリーやサーフボード など、一流で聞こえが良くて派手なブランドモノばかりをこぞって買っていた。今、こうやって一つ一つのアイテムを、本当に必要か吟味し、いろいろな角度から考察し、慎重に買うようになって、当時の自分がいかに愚かなことをしていたのかがよく分かる。結局のところ、自分は、認められたいという承認欲求と、自分が充実しているという外に対しての自己顕示欲の盾が欲しかっただけなのだ。

このように考えられるようになったのは、もちろん千葉に移住してからの思考に基づいているのであり、若い頃の自分にアドバイスできたら、その浪費を食い止められただろうと思う。ただ、結局のところ、それは後の祭りであるし、当時の自分は、そのように生きることで精一杯で、周りを意識しすぎるがあまり、自分の本当に求めているものが何なのかを見定めることができていなかったのだと思う。

千葉に移住したときに住んだマンションは、3LDK。次のボロボロの一軒家に越した時の間取りも3LDK。そして、今住んでいるアパートが、ワンルームであるから、必然的に持ち物が少なくなったのだが、色々と処分していく中で、自分がいかに無駄な物に囲まれていたかがよく分かり、自分がいかに物に依存していたのかもよく分かる。人間は、それほど多く物を所有しないでも生きていけるし、モノをため込むというのは、時間と気持ちに余裕がないということでもある。

お金の使い方の動画を、よく観るようになった。どの動画であれ、結論部分では、お金というのは、モノに遣うのではなく、経験に投資するものだということになっている。私が、千葉に移住したこともそうだし、そこから二回の引越しで得られた教訓として、モノを買うよりまず、自分自身のゴミを処分することを第一に考えなければならないという経験を得た。

年内に、揃えたい物は、全て揃えた。年始に向け、年明けからも、この大切なアイテムを利用して、多くの経験を手に入れたいと思っている。

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