思考力

場所の位置を変える

薬を調整したからなのか、寝つきはよく、起きる時には残眠感があるとはいえ、なかなか調子はいい。床を広げ、ルンバに掃除を委託しつつ、コーヒーを沸かして歯磨きをすれば、もう朝の支度は完了となっている。もちろん、一流朝活ビジネスパーソンではないので、支度が終了するのはお昼前になってしまうのだが、自分の中でスッキリとした気持ちを迎えられるのであれば、無理な朝活をするよりも、よっぽど爽やかな朝を迎えることができる。この入連の流れ作業の間に、部屋にある窓を全て全開にしているので、ピリッとした空気が部屋を循環するので、とてもサッパリとした部屋の中で呼吸をしている。別に、夕方にでも夜にでも書いて良いブログを、今のうちに書きたくなるのだから、やはり目覚めと共に部屋をきれいにすると言うのは、精神衛生上、とても良いことだと言えよう。

今のアパートに引っ越して、早二年半程度になるのだが、正直いつも邪魔だと思っていた、大きなアルミ製の移動式キャスターがあるハンガーがあり、一度、オーナーに処分しても良いか許可を得ようとしたのだが、このアパートの備品としての取り扱いだから、原状回復の時に、これがないとペナルティーになってしまうと言われてしまった。そんなこんなで、いつも部屋の掃除をする時に目障りだった、その大型ハンガーだったのだが、ベッドと窓の間のデッドスペースに挟むような形で置いておけば良いのではないだろうかと思い、昨日から試してみたのだが、全く問題なかった。むしろ、こうやって視界に入っていたストレスを、部屋全体の空間に収納してしまうことで、大きなストレスがなくなり、しかも一気に視界が広くなったのだから、この作戦は大成功だとも言える。

あと1ヶ月したら、千葉に越してきて、六年が経過することになる。とても早く感じるのだが、どうしても自分は東京からきた「よそ者」のような気持ちが抜けない。これは、田舎へ引っ越してくると、そこにはそこのしきたりのようなものがあり、それに対してうまく同調できなければ、そのようなよそ者の違和感が抜けないのかも知れない。もちろん、自分が住む場所は、山奥のさらに奥にあるような村ではないし、それこそ「村八分」のような扱いを受けたわけではない。最寄りの駅だって、JRの特急電車が停まるくらいの駅だ。そう考えると、自分の四十年以上住んでいた東京の雰囲気や考え方、感じ方が、ずっと残ってしまっているのかも知れない。

この地で一番心を開けるのは、床屋の店主。次に、2回目の引越しの時に向かいに住んでいたお茶の師範。そして、入社1ヶ月足らずでコロナに罹ってしまって、解雇されると思いきや、すぐに3日分程度の弁当を届けに来てくれた塾の室長だった。この3人には、本当に感謝している。新しい土地に移るということは、それだけで一気に自分の周りの環境が変化するわけだから、もし、何かどん詰まりの状態であるのならば、思い切って引越ししてしまうことだって、選択肢に入れておくのも良い。「引越し鬱」なんていう症状もあるくらいだから、病状が進行中の人には絶対に勧められないのだけれども、やはり自分の中で強制的に何かを変化させられるのに、一番手軽で手っ取り早いのは、引越しであると言える。これは、三回引っ越した経験に基づく、自分なりの回答である。

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