思考力

断定を避ける配慮

会社に属し、そこで働いて給料をもらって生活する。失われた30年と言われている平成の生き方の主流だった、この考え方が大きく揺らいでいる。もはや、大企業が終身雇用制度を維持できない状況。そんな中で、収入方法も大きく変わろうとしている。自分なりの仕事を持ち、投資によって財をなすような生き方。つまり、一人一人が社長になるという考え方が、ますます盛んになっていくのかも知れない。『バビロンの大富豪の教え』のように、巡り巡るお金をもとに、「稼ぎたいなら働かない」というような導線を作ることが大切な時代の到来であるともいえよう。

そのような生き方を目指すのであれば、貯金がギリギリの状態であっても、これからの生きる術を考え出さなければならず、そこには断捨離やミニマリスト的発想が浮かび上がってくる。生活の質を落とさずに、収入を上げていけば、”FIRE”だってできるはずである。そうなれば、起きた時が朝のような感じで、バイクで日本一周ができることもありえる。いわゆる”サイドファイヤー”と言われている考え方である。私のような浪費家には、到底難しい生活様式になるのだが、いつの日にか、そのような生活を手に入れたいものだ。

今、学校の金融教育の中で、「お金の話」が行われ始めている。YouTubeでも、ビジネス系インフルエンサーたちが、こぞってビジネス様式構築後の財布の中の流れについて情報発信している。本業プラス副業。その副業を「肥え」させて本業の収入より大きくさせ、本業から離れる。そうすれば、前述した”FIRE”が、手の届く距離に達成することになる。ここで、いかにして自分の生き方を理想の状態へ持っていけるかという勇気と根気が必要となる。

「会社を辞めたいなら辞めればいい」。そんなことを無責任にいう資格は、私には無い。ただ、今の私は、ひどい依存と生活困窮に苛まれているわけなのだが、依存に関しては、「そんなにイヤなら辞めればいい」とは、決して言って欲しくない。どのような場面においても、苦しんでいる人に対して、自分の視点だけで安易な答えをくだすことは、非常にナンセンスであると思う。いや、これは間違いのないことである。

現在と過去を比較して、何かをくだらないと思う気持ち。これからの自分が、おそらくくだらないと思うような行為。この2つをうまく対比させて考えれば、「今」とるべき行動も、自ずと解ってくるのかも知れない。1億円の借金を返済した人の本が、ベストセラーになる時代。窮地に立たされているからこそ、自他ともに合理的配慮をしながら生きていけば、何らかのチャンスを掴めるような気がするのだ。

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