思考力

向上していく人と底辺との距離

 

そもそも、すでに7月上旬。3日後には、織姫と彦星が、一年ぶりに再開する日である。雨の中とはいえ、ネルシャツの上に、サーフィンの着替え用のポンチョを羽織って、ブログを書いているのだから、身体のどこかが故障したのが原因で、こんな季節外れの「寒気」を引き起こしているはず。いや、それ以外ない。先日受けた「健康診断」で異常がなかったとはいえ、そもそも健康診断というのは「車検」のようなものであり、健康な人が何か異常がないかと思って行くわけであり、医者もそれほど真剣に診ることがない。まして、市が実施するモノなど、密を避けた長い行列の中で、愛想の悪い医者が手っ取り早く問診する程度。やはり、どこかで精密検査をしてもらうしかないのかもしれない。

世間では、週を締めくくる大切な日曜日。ただ、いつ突入したのかもわからない「梅雨」が、まだ開けておらず、部屋の外では、今日も”しとしと”と雨の音が聞こえている。こんな日は、ジャズでも聴いて、まったりと過ごしたいものだが、もうすぐ夏だというのに、寒くて仕方がない私を癒してくれるジャズやピアノの音は、YouTube動画でも、なかなか見つからない。私にとっては、とても冷たくて不安を掻き立てる雨は、個人的には、とても不安な気持ちになる。

ただ、こんな雨が局地的に降るような場所もあって、熱海市では土石流が発生し、かなり生々しい映像もあるし、今後は日本海側でも、低気圧や前線の影響で、強雨に注意という喚起がなされている。気候変動で引き起こされる災害に比べれば、私の「寒気」などは、世間には影響を及ぼしていない。ただ、それはなかなか「モノサシ」が異なっている。「お爺さんの体重」と「おまんじゅうの甘さ」を比較しているようなものだ。比較対象が全く違う。こうやって、人間というのは、本能的にネガティブ情報に引き寄せられ、報道は視聴者の不安を煽り、更なる自己嫌悪を引き起こすような「アンラッキーな事態」を切り札のように出してくる戦略だ。ビジネスの戦略というのは、無意識を刺激するのだから、なかなかコワイ側面をもっている。

そのような中でも、心穏やかになるようなニュースもあるようで、イルカを助けたらイルカの仲間が集まって来たというニュースもあれば、外国人から見れば、幼稚園児たちが、前後の先生の言うことを行儀よく聞いて、仲良く列をなして歩く光景に安らぎを感じるというような心温まるニュースもある。ただ、頭脳が優秀な「イルカ」も、人間が破壊した環境破壊による温暖化の海面水位の上昇で、酷くダメージを受けているだろうし、最近の痛ましい事故である、飲酒運転をしたトラックドライバーが、小学生の列にトラックが突っ込むような悲劇的事故もある。少しひねくれた考え方をすれば、悲惨な事件や事故の後に、少し幸せな情報を加えて、再び悲惨な情報を流せば、さらに世間のネガティブ情報が脳裏に刻み込まれるのかもしれない。

最近では、モノの断捨離はもちろん、「情報断食」にも注目が集まっていて、不要な情報をカットし、本当に自分に必要な情報のみを選択肢する能力を身につけるためのコツを解説した本なども出版されている。SNSを始め、誰かからの通知を期待するというのも、人間の本能を刺激する。そしてその部分を利用して、アプリなどを開発するプロ集団も、あれやこれやと策を練っている。利用者が自分たちのアプリに時間を割く程に、そこからの収入が得られるわけで、5万年前から、さほど進化していない人間の脳を含めたカラダの仕組みを熟知して、利用者のニンゲンを操作しているのだ。気を抜いていれば、時間という「資産」を、根こそぎ奪われてしまう。

こうなると、経済的主導権を握ることができるのは、開発者側であり、搾取されるのは利用者側という図式が成り立つ。すると、搾取する側の目的を理解できていない自分が、実は「奴隷」だったと思う能力すらない者たちが、無理に経済を回そうとして躍起になる必要もなくなってくる。ここで、「ベーシックインカム」の導入の考えを取り入れるべきタイミングが早まってくる。”S&P500”が、プロレスの必殺技だと言われて、それを鵜呑みにするようなヒトは、働かなくてもいい“FIRE”の状態など作れないわけだから、世界や日本の経済の回り方を自分の能力を考えられない。やはり、「ベーシックインカム」が必要な時代が来ているのだ。

日本には、「禅」の心という瞑想の文化がある。まぁ、それすら理解していない人がいるのは、極々わずかだが、実際に「瞑想」を行っているのは、一部の優秀なビジネスパーソンたちであったりもする。忙しくて優秀な人ほど、自分の高いパフォーマンスを理解し、それを向上させることに努力を惜しまない。そんな偉そうなことを言っている私も、禅や瞑想を行ってはいない。その部分を切り取ってしまえば、私も「ベーシックインカム」を受け取る側の人間なのだ。

ただ、実際に行っていないで、本質を理解できていなくても、それを行っている人たちがどのような人たちで、どの層に居るのかを知っているだけで、まだ救いはあるのかもしれないと思っている。

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