思考力

亀に銭を背負わせる

かつて、タバコは、どこでも吸うことができた。喫茶店であれ、ファミレスであれ、公共機関であれ、まして病院の入院病棟のフロアであれ。今では、全くもって考えられない。今後は、アルコールに対して厳しい規制がなされるはず。時代とともに、悪き習慣というのは排除され、新しい価値観やスタンダードな考え方というのが変化していく。日本の場合、アメリカの流れが、10年弱ほどのタイムラグを経て流れ込んでくるので、アメリカの動きに敏感になれば、なかなか正しい斬新な動き方ができるような気がする。

では、「ほったらかし投資」とも言える「インデックス投資」などは、どうだろうか。やはり、アメリカ株に長期投資することが良いと考えられるし、アメリカが衰退したら世界が衰退するということで、全世界株よりもアメリカ株を買う方がいいという考え方をしている人もいる。私も、種銭があれば、積立ニーサやiDeCoで、長期運用したいところだが、明日をもしれぬ火の車の財布事情なので、如何ともし難い。自分が、とうとう来る所まで来たかという絶望感ばかりだ。

今朝は、薄っすらと陽が明けるような時間に目が覚め、ぼうっとした意識の中、ゴミを集積所に出した。何やら眠気も残っていたので、二度寝をした。夢の中では、父が出てきた。ふと目を覚ますと、かなりリアルな夢であることに驚く。再び寝ると、母の夢をみた。無意識のうちで、こんなにも甘ったれた自分が、親にSOSを求めているのかと思うと、とても情けなく思った。

果たして、私が千葉に移住したという選択は、正しかったのだろうか。今のお財布の状況を見れば、それが間違いだったと判断できるのかもしれない。でも、もう5年以上経過しているのだから、ある程度は正しい選択ができたのかもしれない。やはり今は、どっちとも取れない。若い頃、もっと自分を経済的に窮地な状態に追い込むことが必要だったのかもしれないと思うようになった。さんざん甘やかされて育ったので、40を超えてから、自分の弱いところばかりが痛いほど身に染みて感じる。着飾るよりも、滲み出る経験を得ることの方が大切だったのだ。

浅はかな知識でFXや仮想通貨に手を出すより、堅実な長期投資がいいと言われ、日本人の投資への意識を高めるような動きが出てきている。かつて、至る所で、預金の大切さが叫ばれていたが、それも今は昔。アメリカをはじめとする先進国で、こんなにも投資に意識が低い国もない。極貧状態にいる私だが、いつか這い上がり、この悔しい気持ちを忘れずに、残りの人生を長期投資に向けられるように歩んでいきたいと思っている。

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