思考力

鈍く光る水滴

ポタポタと滴る天井からの水。日増しに降水量も降水範囲も大きくなってくる。幸いしたのが、上からの水漏れであったことと、三日前からオーナーに水漏れを伝えていたこと。これで、私の責任ではないことになる。今、責任を問われて、損害金でも発生したのなら、退去届を提出して、寒い中の居場所を確保しておこうとさえ思っていた。

ただ、念のためということで、ブレーカーを落として業者が来るのを待ったのだが、そのまま置き去りにされて待った私は、この10年に一度と言われる大寒波の部屋の中で、エアコンも付けずにブルブルと震えるしかなかった。水道の配管工事なのだから、電気は関係ないとはいえ、千葉に移住して以来、大活躍ドラム洗濯機のコンセントが濡れているので、思い切った行動が取れなかった。こんなときオーナーに一本の電話を入れられない自分の気の小ささを思い返すと、とても情けなく思うばかりである。

どんどん暗くなる日没近くになって、私の部屋は冷蔵庫のような状態だったのかもしれない。やっと到着したオーナーと修理業者。聞けばブレーカーを上げて電気をつけることなど、なんら問題はなかったというオチがついた。やはり当然といえば当然。ただ、慎重に考えると、電気に関してだけは、目に見えないものでもあるので、一瞬の不注意が大惨事を引き起こすことは間違いない。それを予測できたことだけは確かだった。

修理が終わり、エアコンをつけて作業を見守っていたとはいえ、身体はガチガチに凍っている。風呂にでも入ればよかったのかもしれないが、精神的に動くのが辛く、そのまま布団へ潜り込む。すると、やはり震えが止まらず、寝るに寝られない。こうなれば入眠することも難しく、途切れ途切れの睡眠の中、いったん中途覚醒してしまえば、YouTubeの動画を視聴するという悪循環。やがて日がさしてくれば、元気に出勤するアパートの住人たち。この状態で感じることは、どんなに頑張れど、彼らのような規則正しい生活には耐えられそうにない。

最近の過去のトラウマは、加速度的にとんでもなく強くなり、一度そのことを思い出すと、集中力が切れて、見ている動画の内容が数分くらい頭に入っていなかったということも多くある。私に強いトラウマを与えた者たちの重い呪いにかかってしまって苦しんでいれば、彼らも大喜びだろう。こちらも負けじと呪ったところで、因果応報という考え方には無理があり、その考え方に従うことそのものが、一番自分を苦しめてしまうことにつながってしまうことになる。

さて、次の入金まで1週間を切った。とんでもない滞納金がいろいろなところから来ているが、東京に受診に行く費用と、1日だけ焼肉食べ放題に行く資金だけは残しておかなければならない。

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