いろいろな経験を積んで、人は生きていく。これはもちろん、人間に限ったことではないのであろうが、特に人間というのは、生まれてから成長期にかけて、どんどん脳が育っていくので、過去の過ちを犯すことなく成長していく。もちろん、これは「進化」という観点からではなく、「経験」を積むというということから考えている。
私は、今、ブログを書いているこの瞬間であれ、様々な経験をしてきたことを回顧できる。過去を振り返れば、良いこと2割、悪いこと8割くらいの比率で、過去の記憶から引っ張り出すことができる。この比率は、私が、周囲の人間と比較して、苦しい体験を経てきたというわけではなく、外敵から身を守るために記憶の中に、危険だった記憶を染み込ませているからである。これは、古代から培われた「進化」の過程によるものだ。
では、進化した脳を使って、経験を積んでいくと、私はその悪いことの記憶から、今後の未来のことを見据えて、現在を改善するべきであり、同じような過ちを繰り返すことは避けなければならない。例えば、女の子が酒を注いでくれる店で、ベロベロに酔い潰れたり、見栄のためだけに洋服を買ったり、荒れた海の沖に向かって、サーフボードに腹這いになって死にかけたり。あげればキリがない。では、そこから学べることといえば、やはり過去と対比させて、未来を充実させるという一点に集約させられるであろう。
私は、経済的には何とも恵まれて生きてきた。欲しい物は何でも買ってもらえたし、好きなだけ勉強するチャンスをもらっていた。塾の講師として、自分より若い人たちに勉強を教えられるのも、他ならぬ両親がいたからである。ただ、そのような共依存の関係が続くと、両親が他界してしまった今、特に金銭的な事柄で、苦労することが多い。今のナマポの状態を考えれば、明らかである。しかしながら、それを改善しようとするのであれば、それは過去の甘ったれた自分から学んだ弱さを克服しようとする良い行為である。
人は、必ず苦しい現状を打破できる。理由は簡単だ。今、生きていることが証明している。いじめられて傷ついたこと、内側から鍵を開けられない部屋に閉じ込められたこと、再起不能かと思われるくらい寝込んでしまったこと。そんなことを自分は乗り越えてこられた。もちろん、トラウマになるようなことだってある。でも、自分の人生は進んでいくのである。それならば、現状を打破できる可能性というのは限りなくゼロに近い。それならば、今は、呼吸をできていることそのものに感謝を捧げるべきだと思っている。