思考力

上から光を灯し続ける

準備することばかりに追われ、結局、その先の目標に対しては何もやらないというケースが多い人がたくさんいる。例えるなら、冬のサーフィンに行って、最新のウェットスーツ を買い、いざそれを使おうとしても、なかなか躊躇してしまい、海に入らないというもの。多少ズレているかもしれないが、他の視点で言えば、シューティングゲームで、ボムをたくさん持っているのも関わらず、それを使うことなくゲームオーバーになってしまうようなケース。これは、所有した瞬間に、それに対しての興味が無くなったり、大事にしようと気持ちばかりが焦り、手に入れている物を有効活用できない気持ちから来ている。

ある程度の準備ができたのであれば、まずは目標に向かって動くという気持ちが大切なのであり、そのような前向きな姿勢であれば、多くのメリットが得られるという経験もできる。会社員をしていて、仕事にやりがいを感じられないのであれば、なぜそうなのかという事を紙に書き出してみるといい。頭の中だけでモヤモヤしている事柄を整理して考えるために、手書きのメモというのは、とても有効だ。文字にして、そこから思考を整えるというのは、可視化できない心の動きを理解することに非常に役に立つ。『0秒思考』という書籍では、その実践方法が事細かに記されている。

私は、人に物を頼むのが、とても苦手だった。相手の負担を増やしてしまい、相手を不快にさせてしまうのではないかと思い込み、自分がやってほしい事を、ひたすら自分の心の奥底に収納することにしていた。数日前、部屋のシーリングライトが壊れてしまい、ダイレクトに生活に支障が出てきてしまった。お金に余裕があるわけでは決してない私は、勇気を出してオーナーに連絡をしたら、次の日には、オーナーがうちへ駆けつけてくれ、その二日後には新品で、さらにグレードが高いライトが装着された。やはり、自分の気持ちを素直に相手に伝えるということは、とても大事なことだと知る良い機会となった。

これは、自分の中に秘められている高い自分と繋がるための深い瞑想のようなことへも通じる。今までできなかった他者へ、自分の思いの伝え方を、具体的に実践することで、手をこまねいて自分が我慢をすればいいと思い込み、自分自身だけに負担ばかりを強いることから脱却できた。これは、大きな自信を手に入れられた経験である。会社員を辞めて、あと2ヶ月もすれば、2年が経過することになる。この二年間で得られた経験は、とても深く厳しいこともあったが、十分、自分を高められるきっかけとなった。

これからも、自分探しを続けられる自分でありたいと思う中年であった。

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