思考力

浪費に付き合ってくれた人

「転籍苔むさず」。アメリカでは、すでに常識的にプラスで考えられるようになっている格言だが、これはコロナ禍の日本でも特にプラスの意味で認識しておかなければならない言葉でもある。もはや、会組織そのものが、従業員を会社に依存させずに転職や副業を認めなければ、従業員の人生そのものを「抱っこ」できなくなる時代。もちろん、ナマケモノのようにブラ〜ンと枝につかまっているだけの社員が首を切られるべきなのだが、日本の労働基準法というのは、真面目に働いている社員ばかりではなく、雇用されている労働者全てを均一に守らなければならないわけだから、真面目にやっている社員の怒りが蓄積されていくのもよく分かる。

正直者が馬鹿を見るとか、悪い奴が勝つという、特に日本におけるこのような理不尽感を、何とかして変えなければならないとは思いつつ、誰もが「水戸黄門」のように世直しをしたり、革命や一揆を起こせるはずもない。だから、この国では従順さが求められる。人数が多くなればなるほど、人間というのはフルパワーを出さなくなるもので、綱引きなども、一対一の勝負と団体戦では全く緊張感が違うことからも分かっていただけるはずだ。だから、日本の大企業の中では、安定を図るために多数決が採用され、それに歯向かうことは絶対に許されない。

こうなってくると、エリートで固められた銀行員などは、そつなくキチンとタスクをこなすだけしかできなくなる訳であり、本来個人の戦闘力が高い人材であっても、周囲に合わせざるを得ない人生を歩むことになる。日本の労働スタイルというのは、個性を潰す生き方を強要しているだけでなく、国家としての安定を促すことばかりに躍起になっているばかりだとも言えよう。ただ、この考え方に従わずに生きようとすれば、一気に綱渡りの生活になってしまうのだから、身の安全を考えるのであれば、集団に属す事をキープする方が無難である。だから、画一的な結果しか生み出せず、能力のある人材が次々と海外へ移住をしてしまう結果となる。

このような価値観がある中で、自分の身の安全を維持させることばかりを優先し、他の人を蹴落とそうとするような人生は、いつか自分の身を滅ぼすということも事実ではある。悪い奴が勝つと先ほど書いたが、そんな悪人や裏切り者に、やはり後ろめたい気持ちが付きまとえば、その人の人生はガタガタになっていくことは間違いなく、仮に人生にスピードが出てきたとしても、車輪が曲がっていれば、その上に立っている状態であれば、派手に転んでしまうのがオチなのである。

気休め程度にしかならないのかもしれないが、人を呪わば穴二つと言われてはいる。自分の人生を妨害した人の人生など、たかが知れていると考えなければ、肝心な自分の人生を歩めなくなってしまう。こうやって、忘れることもできない腹立たしい人間を思い浮かべながら書くブログこそ、最も人生の老人もいえる。ここまで読んでくれた読者の人に感謝しよう。

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