思考力

夢はペーパーレス

 

気づけば、8月も今日で終わりだ。今年は、コロナの影響で、お気に入りの海岸の駐車場が閉鎖されており、進んでサーフィンができなかったこともあってか、突き抜けるように夏が過ぎ去っていった気がする。人間、歳をとると、時間が過ぎるのが早く感じるということは、脳科学的にだったか精神的にだったかで、科学的データが証明しているところではあるが、すでに40半ばともなれば、十代の頃の時間感覚を取り戻すことはできないのは当然だ。時間は誰にでも平等ではあるが、そのスピード感が年齢の差で違うということが実証されているというのは、なんとも切ない話でもある。

私は、サーフィンをする者とはいえ、夏は嫌いである。千葉に移住して、最初の年だったか、お盆休みに、駐車場が満車で入れないという状態があった。田舎のパチンコ屋の新装開店の時の駐車場ではあるまいし、自然に触れる機会を得ることを目的に海に向かい、高速道路の渋滞を何とか抜けられたと思いきや、到着しても車で溢れている。こんなレジャーは、拷問に近い。私は、車で30分程度のところに住んでいるので納得はできるが、都心環状線を使って、休暇と有給休暇を合体させ、車中でダダをこねる子供をなだめての到着地がこの有り様では、あまりにも酷いといえる。

混雑している海でサーフィンをしていれば、レベルが違う者同士の小競り合いが頻発するし、そんな光景を見ていれば、早く夏が過ぎ去ってくれる想いばかりが募る。だから、海の付近で仕事をしている地元の人たちの掻き入れ時には、海には近づかない。ストレス解消で海に向かって、ストレスを溜め込んでは本末転倒である。ただ、今年は、地元の人たちにとっては、とんでもないダブルパンチが襲ったとしか言いようがない。オリンピック新種目となった「サーフィン」が無観客で行われ、緊急事態宣言で駐車場にすら来場客が入れない。ある意味では、夏に売り上げのほとんどを占めている千葉海沿いの人たちは、今の自粛要請のなかで、最も被害を受けているといえる。

中国は、人口の上でも、発展スピードにおいても、日本より遥かに上を行っている。中国での労働中で怪我をしたら保障が効かないが、日本では失業手当などが整っている。この緊張感が、中国の経済発展の火に油を注いでいるのであれば、ここを基準に中国の優勢を認めてしまうことは、先日のメンタリストYouTuberの炎上発言をなぞってしまうので避ける。ただ、中国だけではなく、加速度を上げて発展していく世界に対して、衰退の一途を辿るだけになる日本が生き残る術というのは、正直なところ見つけ難い。実は、どこかでお金が余っているという話はあるが、そんな裏金を差っ引いた状態で、日本の社会保険税を含めた税金というのは、決して下がることはなく、増えていく高齢者を支えなければならない若者の負担は、とんでもなく重くなり続けるのである。

終身雇用が無いに等しい状態で、会社組織に所属していれば、歳を増す毎に、働けど、半分以上は税金に取られてしまう状態になることは不可避であり、実は隠れているお金というのは、その税金を隠している「上」の人たちの中で、グルグルと回っているだけなのだから、この方程式は、すでに、9の勝ち組と1の負け組の割合で進んでいく、日本という衰退していく国のサバイバルゲームになることを証明している。この事態に嘆いているだけでは、それこそ「ベーシックインカム」を受け取るだけで、創造的な思考力が衰弱の一途を辿ってしまいかねないような、無味乾燥な人生になってしまう。当たらば辞めるというような下らぬ仕事をしながら、一発逆転だといって、宝くじを買うなどという「税金寄付」をしたところで、墓穴を掘ることにも気づかぬ「バカ」になってしまう。

では、このように、世界の中でも遅れをとっていく中で、さらに差が開いていく格差社会ともいうべき残酷な日本で、いかに一流の頭脳を持ち、一流の働き方をできるのだろうか。総工費10億円のウェーブプールでサーフィンができる施設が完成し、そのうちの100万円くらいよこせなどと言っているようでは、やはり、頭が悪い人に分類される。都会と違って、遊び場がないからといって、行き着く先が行きつけのパチンコ屋であっても同じ。逆に考えれば、休日の過ごし方を考え直すことでも、効率的に人生を考え直すことだってできるし、そのような小さな努力の積み重ねでしか、人生は好転していくことはない。一攫千金とは正反対の考え方に行き着くことを認めなければ、スタートラインに立つ資格すら与えられないだろう。

新居に引越し、不用品が日増しに消えて無くなり、やるべきことが鮮明になってくる。まさに、オーナーの目から見て、邪魔なモノを排除すれば、やるべきことというのは明確になるわけだから、このコロナ禍で行われている会社組織での「リストラ」という断捨離は、今後の会社の生き残りには不可欠なのだということが非常によく分かる。だから、9割削減される中の1割の貴重な存在というのは、とても重宝される。そして、景気回復したときに、新しい世界の流れに乗るときに入ってくる新しい戦力との融合が行われる。これこそが、そのグループでの本当のレベルアップと言えよう。ここを蔑ろにしていれば、このご時世では、特に容赦無く「一刀両断」される。

今、私のワンルームの部屋には、本棚が無い。仮にも、英語講師の部屋に本棚がないというのは異常事態だ。ただ、それは最先端の英語講師ともいえる。先日、400ページ程度の参考書を20冊程度電子化し、PDFファイルにしてダウンロードし、ファイルとして保存してある。だから、取り出したいときには、いつだってパソコンの中に保存されている。もちろん、iPadにだって保存されていて、それを学習効率化のアプリで利用すれば、もはや本棚も要らなければ、本を探す手間だって省ける。電子化した参考書をモニターに移しながら授業をすれば、リアルタイムでオンライン授業で、何冊もの参考書から、該当箇所を引っ張り出せる。そう、時代は変わったのだ。

徹底的に、ペーパーレスを目指す。やるからには、とことんやらなければダメだ。求人サイトで履歴書を見てもらうより、私が毎日更新しているこのブログを見てもらった方が手っ取り早い。そして、これ以上のアピールを履歴書に書くこともできまい。”How was your today ?”と訊かれたら、”So good”と答えるよりも、”So long...”と言って、夢の世界へ入りたいものだ。

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