思考力

闇に立つ

ひどい咳だった。一晩中ずっと。眠るに眠れないような、それでいてゆっくりと目が覚め、それからまた咳が止まらなくなるような症状。今、この一行を書いたところで、自分の睡眠状態をアップルウォッチで計測してみたら、まさに、深い眠りと浅い眠りが、まるで荒波のように乱高下していた。先日の熱にしろ、今回の咳にしろ、体が良い状態にあるということはなさそうだ。今、こうやって記事を作成している間は、問題ないのだが、何らかの弾みで、一気に昏睡状態にでもなったら一大事だ。それに、自転車の運転の不注意で、頭蓋骨を骨折して、重症患者が入る病院へ、緊急搬送されるという事故だって経験している。やはり、早めに病院で診てもらうか、それとも、これは先日の風が抜けきる前の、一時的に起こる悪い症状なのかも知れない。

昨晩は、マッチングアプリで、二人の女性と話をすることができた。LINEの通話機能を使って、それぞれ長く話をしたのだが、やはりビールの一口目が、一番美味しいのと同じで、最後の方は、自分の中で上の空の状態での対話になってしまった。一人の女性とは、来月会う約束をしたのだけれども、それが叶うかどうかもわからないし、今は、自分の体調の心配の方が大きい。亜女相手に対して失礼なことを思いつつ、やはり自分の身は、可愛いものである。ブラック企業で勤務していたときに、「自分の身を守りたいのであれば、〇〇と言い張れ」というとんでもない言いがかりをつけられ、パワハラを超えた「暴力」を受けた。その言葉を聞くと、まさに胸の中に空いた大きな傷痕が疼く。そのような暴言を吐いた人間が、今でも正社員として勤務しているのであれば、その安定した立場には、誰の犠牲があって成り立っているのかを、よくよく考えてもらいたいものだ。

私は、大学生の時に、塾の講師としてデビューし、それから、山あり谷ありの講師生活をし、一時期は業界そのものから離れていた。そんな講師生活の中で、自分を強く支えてくれた親友がいて、その人が、現在、最悪の体調不良に陥ってしまっていることを知った。教育産業というのは、とても闇が深く、一度でも目をつけられて仕舞えば、自分のポジションが危うくなったり、次の会社に行ったとしても、ありもしない悪評が既にばらまかれていて、入場禁止のような状態になっていることもある。そもそも、教育というのは、若い芽を育み、学業に興味を抱かせつつ、それを伸ばすことが目的であるはずなのに、パワハラが横行するような世界にしてしまっては、その存在価値がなくなってしまう。このような腐った業界の中であれ、自分を見失わずに教育をし続けていた自分の親友が、もはや教壇に立つのがやっとの状態であったり、来年度からは、大幅に授業を減らしてしまわねばならない状態になってしまった。

貴重な人材というのは、常に孤独なものだ。別に、自分が貴重な存在だなどと言っているわけではなく、自分なりのポリシーを持ち、さらにそれを授業で還元しようとするのであれば、それを快く受け止めてくれるような集団が必要だ。それが叶っていれば、教育産業というのは、もっと価値のある領域になるはずだ。それなのに、その現場そのものが、朽ち果てているのであれば、それは土壌の土が死んでいる中に、可能性のあるタネを巻いているのと同じ状態となってしまうのである。

自分の中で、おおよそのところ、教育産業の闇の部分が見えている。そんな中で、自分の中に秘めている教育者としてのプライドを消してはいけないのかも知れない。ただ、いつも立ち上がるときにこのようなことを考えていても、現場に戻れば、同じような闇の部分に我を見失いつつ、それでも自分のスタイルを保ち続ければ、自分の心身が先に崩壊してしまうのだ。だから、メンタリティーがタフな状態にしつつ、その上で自分の役割を重要なポジションで発揮できるのであれば、それは自分の中での投資を、遺憾無く燃やせる土壌ができるのである。今、SNSを通して、英語の知識を広げられるようなショート動画を作成している。それが、どこまで拡散されていくのかわからないけれども、このブログ作成と同じような熱量を持って継続できるのであれば、それはそれで、なんらかのプラスの要素を引き出してくれるはずである。

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