思考力

林檎の中を前に走る

毎年、5月下旬から6月にかけて、特に就寝中に「寒気」を感じることがある。その寒さたるや尋常ではない時もあり、暖房をつけるとまではいかないまでも、ダウンジャケットを着て、ガタガタ震えながら布団に潜っている日だってあるほどだ。あと1ヶ月もすれば、そんな怪奇現象が頻発する時期も到来するので、厄介な春の花粉症のような症状だと思って、私は別口で覚悟しておく他はない。

昨日、今日と、関東では夏日となる程の暑さとなった。私はといえば、これまた酷い不眠症と、上記の謎の症状を抱えているので、部屋の中では寒くてたまらない。昨日は、食糧がなく、厚手のフリースを着て、意を決してスーパーに行こうとすれば、外の日差しは強く、周囲は薄手の格好だったり、半袖の人もいたくらいだった。もちろん私とても例外ではなく、こんな気温の時に、フリースで自転車のペダルを漕いでいれば、まさにサウナスーツを着て自転車を漕いでいるようなもので、ほんの1分程度で息は切れ、汗だくとなった。

昨晩は、やっと眠りに落ちたかどうかという深夜に、突然、スマホの着信バイブが作動したので、慌ててスマホを取りに行ったが、ディスプレイには着信の表示やメッセージなどは一切履歴されていなかった。今、起き抜けの状態でキーボードを弾いていたら、本当に着信があり、やはり携帯のエラーではなく、自分の認知機能が大きく低下しているというか、誤作動を起こしているのだろうと思った。仮に、自動車でも運転しようものなら、大事故を起こしかねないし、自転車であっても、昨年は頭蓋骨を折るという臨死体験がひっついてくるような重傷を負ったのだから、身の安全を考えれば、無茶な移動手段は取らないことが最優先される。徒歩だけでの生活は無理でも、自転車を慎重に運転する気持ちは、強く肝に銘じておくことにしよう。

いきなり話題を変えるが、林檎は素晴らしい。スーパーで、700円前後で5個程度パッケージされて売られている林檎を、冷蔵庫にストックするようにしているのだが、夜中に強烈な空腹感に襲われたときに、脂っこいものではなく、林檎を2個食べる。フラフラした状態でリンゴの皮を剥けるものかと思われるかも知れないが、100均のリンゴ切断機があれば、皿に押し付けるだけで林檎が見事に断頭される。このマシーンを発案した人には、ノーベル賞を捧げたいくらいだ。また、スポンジを保管するときに、キッチンのタイルに吸盤を付け、猫の爪のような物でスポンジを引っ掛けるスグレモノもある。これまた、脱帽の一品だ。

体質を含め、自分が日常生活で「不便」と感じることが、すでに誰かによって解決されていることがある。気付いてもいなかった部分に、実は、快適性能があったりもする。”Chat GPT”が、巷で話題騒然だが、この技術革新であれ、賛否が分かれている。シャーペンが普及するか否かのときには、鉛筆派が、ワープロが浸透する前には、手書き派が、ネットが浸透する前には、図書館派が。やはり、新しい流れがで始めるときには、必ず旧来の流れ以外を認めない派閥が出てくる。数年後、"Chat GPT X"のような時代が到来したときに、もはや自分と関わらせられなければ生活できなくなるとしたら、やはり「ガラパゴス人間」になってしまうのかも知れない。

私の「双極性障害」は、不治の病だ。少なくとも、私が生きている間は、その括りのままであろう。では、今後、医学が発展し、初夏が近づいてくる頃に寒気を感じるような、不快な付加的副作用が出る薬を服用していたとしても、それをピタリと抑えられる技術だって、きっと開発されているはずなのだ。やはり、時代の流れとともに、何事も、そして如何なる分野でさえ、進歩や進化が伴ってくるのである。だから、今、どんな立場にいる人であっても、自分の立場を楽観視することも、悲観的になることもせず、この先の流れを予想して生きていくと良い。このような具体的な考えに基づく姿勢こそが、「前向きに生きる」という主張につながるのだと思っている。

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