思考力

惜しみなく使う

20代そこそこの頃だったか、小学生の頃からの馴染みの友人と、ゲームセンターでシューティングゲームをしていたときのこと。「いいか。ボムは惜しみなく使え」「ボムは、相手を攻撃するためじゃない。相手の弾を消すためにあるんだ」というアドバイスを受けた。なるほど、ボムを使うと、敵には、大きなダメージを与えられる。ただ、ボムを使わずにゲームオーバーになることも少なくはない。では、どうしてそのような「惜しい」負け方をしてしまうのか。理由の多くは、使い方と使う場面を理解できていないから。それを知らずに、多くの人は、惜敗を繰り返してしまう。逆に、今まで倒せなかった相手であっても、正しい戦略と正しい攻撃の方法を理解すれば、その後のゲームの進め方が大きく変化する。

ボムは、相手を攻撃すると同時に、相手の弾を消すという大きなメリットがある。その利点を知らず、強敵の銃弾爆撃に耐えられず、難攻不落のゲームだと決め付けてゲームオーバーになるのは、もったいない。「クソゲー」という言葉が、ゲーム業界では存在するようだが、全くもって不可能なゲームというのは存在することはほとんどなく、どこかにスキマがあったり、自分の戦い方そのものに問題があることだってある。ゲームに文句を言う前に、ゲームそのものの「コツ」を理解してゲームに再度挑戦すると、あっさりとゲームを攻略できていることもある。前述の友人のアドバイスがなかったら、ボムをしこたまケチって、大ボスが来たときに、たいして効き目のないボムを使い切ることに躍起になっていただろう。シューテングゲームそのものの「肝」を理解できたときに、その面白さを深く知った。

買って満足して、そのまま倉庫にしまっておく。その失敗は、釣具で多く、あの場面がきたらこの道具を使って、こんな時はこの道具で、寒くなったらこのカイロを貼って…。イメージばかりが先行しつつ、結局、そんな道具の存在などは、とっくに忘れていて、釣具買取店にピカピカ新品の「それ」を持っていったところで、二束三文にしかならない。そんな新品中古釣具が、店のレジの前に、特価商品としてワゴンの中で、所狭しと詰まっているので、私だけに限ったことではないようだ。いつか使うだろうというアイテムは、結局使わない。いつか使うであろう「ボム」も結局使わない。同じような論理が成り立つ。

なんでこんなブログ記事を書いているかというと、あと30分ほどで、リモート面接が始まるからだ。長らく人とまともな会話をしていないので、かなりソワソワしている。BlogをYouTubeにアップするのも、やはり噛み噛み。そんな中、いつか使うであろう「リモートヘッドセット」の箱を開けた。昼過ぎに起きて、運気を入れる玄関掃除。運気を上げるトイレ掃除。運気を広げるリビング掃除。Zoomのヘッドセットも準備完了。画面のセッティングをしたら、後ろにネルシャツとダウンジャケットが丸映り。背景画面は、堂々と部屋を映す。今は、すっきりした部屋の背にして、いまや遅しとZoomミーティングを待つ。やはり、惜しみなくヘッドセットの箱を開いて良かった。購入したアイテムは、惜しみなく使う。すると、自ずと余計なモノを買わなくなる。運気も上げて、いざリモート面接を待つ。自分の経歴を惜しみなく出す。たぶん問題ない。

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