思考力

多木を絞り刻む

昨晩は、東京から帰ってきたというのに、疲労感が大きく出ないまま、ネットやYouTubeに夢中になってしまった。そのまま寝付きが悪い状態でいたのだが、かなり早く目が醒めつつも、まっすぐ歩くには程遠い状態。それでも、カスタムスケボーの調子を図ろうとしたのだが、そもそも二足歩行ができない自分が、四輪の板の上で立てるはずもなく、渋々部屋へ戻り、朦朧とする意識の中で書いた寝る前のブログをアップロードして二度寝した。

起きれば、昼過ぎ。結局のところ、1日程度、東京へ行って体内時差ぼけをリセットできるほど、世の中甘いものではなく、いつも通りの重役出勤を超えるような時刻に目が醒める。もちろん、自分には部下となるような人は存在しないので、誰に迷惑がかかるわけでもないので、自分の体には、お詫びをしつつも、一台のスケボー をノーマル仕様に戻して、それを売り払いに、千葉の中古サーフ用品店に行った。そのまま気分は、南へと向かいつつも、海岸沿いの中古サーフボードショップも気がかりになり、そこへ立ち寄った。実は、あまり良い対応をされなかった経験もあって、それ以来、立ち寄ることはなかったのだけれども、板を見ているだけで金銭を要求されたわけでもないので、緊張しつつも、胸を張って店に入った。

やはり、本格派の中古ショップの品揃えは違う。リサイクルショップで、適当に提示された価格で買い取られた物ではないので、やはり自分の興味をひいてくる板は、そのプライス相応の代物であり、そう考えたときに、自分の板に対する目利きもまだまだ衰えてはいないことに安堵した。それにしても、最新のボードから、自分が生まれる前のボードまで、ずらりと個性豊かというか、博物館のような状態の店に、自分の板に対するアンテナは、強く刺激された。

そのまま南下し、いつもの駐車場で、板を蹴る。今日のこの試乗でダメだと判断した板は、明日、買取ショップに旅立ってもらうことになるのだが、どの板にも、自分の目分量で穴を開けたり、様々なビスやパーツを組み込んだ跡が残っている。古着や、中古のアクセサリーには、前オーナーの「念」が篭っているから、風水的には、あまり良しとされていない。明日、旅立つ板を、さっき決めたのだが、この板にも自分の念が、染み込んでいる。次のオーナーにそれが取り憑いてしまうのだろうか。そもそものところ、粗大ゴミとして処分されずに済んだのだから、その板も次のオーナーのもとで、良い仕事をしてくれることを望む。

波乗りに復帰したい。本当にそう思っている。ただ、仮に復帰したとしても、板とウェットを置く部屋のスペースはないし、コンタクトレンズや耳栓などの必需品も揃えなければならない。色々と細かなことを考えているうちに、やはり自分の心の中で、とても大切にしているのが、今の部屋であることに気づき、それ以上の「念」が入ってしまうような行動を慎むようにするべきだと判断した。そして、改造に改造を重ね、さらにこれ以上無理だと思われるところにも、パーツを挟み込み、もはや板とタイヤを繋ぐ金具の部分が、少年向けロボットマシーンの超合金のようになっている。だが、徐々に変形させていき、何度もトライアルアンドエラーを繰り返した作品だから、自分にとっては最高の相棒たちだ。

結局、自分の手元に残る予定なのは、4本という着地点になったのだが、それでもさらに詰めて考え抜き、3本にしたいところではある。弘法筆を選ばずとはいえ、やはり拘って板を作成し、それぞれの特性が見抜けてくると、あれもこれもという気持ちよりも、「この気分の時は、これ一本」のようなスケートライフにしたいと思っている。そんなこんなで、明日、一台の相棒を手放し、残る4台の板の改造と研究を、さらに極めていく。やはり、こんな自分が「サーフィン」に復帰したとしたら、1日が「24時間」では、足りないだろうと思ってしまう。まだまだ現役バリバリの「横乗り野郎」でいられそうだ。

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