思考力

シンプルな回路

アルコールを口にしなくなってから、一年以上経つ。酒というのは、最初の一口目が美味いもので、それからは段々と惰性で飲んでいたり、ただ場の雰囲気に合わせるためだけの道具へと変化し、それが独り酒であれば、自傷のような飲み方へと悪化していってしまう。さらに、それを購入するお金や、綺麗なお姉さんから注いでもらう酒なのであれば、とんでもなく法外な「エクストラチャージ」までついて支払いが命じられてしまう。お酒の力は、偉大なのだ。

今日、久しぶりにカラオケに行ったのだが、最初の部屋のモニターの写りが悪く、部屋を移動させてもらったのだが、そこから気分が萎えてしまって、最終的にはスマホをいじっている方が楽しくなり、歌もそこそこに店を出ていってしまった。ついでにと、同じモール内にある電器屋のスマホの受付で、格安シムの料金を照らし合わせて、新しい会社へ移ろうとしたのだけれども、全体的なバランスを検討すると、年末に通話した料金が一時的に加算されていただけで、わざわざ会社を変える必要もないことがわかった。ただ、固定費の中でも大きな通信費には、一円単位で目を光らせておかねばならない。そうすることで、普段の出費や契約の中でも、使途不明金に対して疑念が湧き、果たしてその支払いの対価を得られているのかを考える癖がつくものだ。

証券会社であっても同じで、ネット証券の間であっても、手数料は微々たるものとはいえ違いがあるのだから、その手数料を最終判断材料にするくらいの気構えが必要だ。そうでなければ、長期積み立て投資の基本理念である「複利効果」を、しっかりと享受することができなくなってしまうからだ。一時期、消費者金融の利息の相場が分からず、とりあえず借金をし、グルグルと雪だるまのように負債が膨らんだことを思い出す。いまだに思い出すとゾッとする。悪魔の複利効果だと言える。こんなところから脱出するのは、多くの債務者にとっては不可能だろうから、積立投資で資産を増やす人と、消費者金融で借金を増やす人とで、完全に隔絶された溝ができる。これを、資本主義の現実だと割り切って考えなければ、再び自分が「悪夢」の中へと放り込まれてしまうかもしれない。もう、あんな苦しい生活はごめんだ。

記事を作成し、少しばかりの広告収益があり、YouTubeの動画をアップロードすれば、必ず高評価をしてくれる人がいて、再生回数も、ささやかながら二桁を出せるようになった。そして、いつも資産運用の勉強をし、自分の種銭を、いかにして確保し、それを投資に回せるかを考えている。このような生き方というのは、従属を余儀なくされる日本の会社組織では通用しない。でも、そんなスタンダードも消えつつあり、副業を解禁する企業が増えてきている。いつでも退職してもらえるように、「今のうちにウキルを身につけておけ」という裏のメッセージがあるはずだ。そして、今の自分のような無理のないささやかな生活がスタンダードになる日本の生活様式が、どんどん近づいてきている。これを極論ととられてしまうのか、方向性としては間違っていないのではないかと捉えてもらえるのかは任せるが、個人的には、上層部がビクともしないタテ社会でアリのような働き方はしたくはない。

自分の中の平穏な時間が、誰かに認められなくても、それはそれで良い。仮に、誰かに認められようとして、自分から苦しみの道へダイブするような生き方をしたところで、周囲からしてみれば、自業自得ともとられず、自分が暗闇に落ち込んでしまう。だから、自分には自分の「巣」があって、それは誰かから発見されずにいられるのであれば、できるだけひっそりと生活していくこと。このような考え方と生き方が、当分の間の自分の生き方になる。それを誰に否定されるものでもなく、他ならぬ自分が否定してはならない。自分を大切にできない人が、誰かを大切にすることなどできない。だから、自分を大切にする。簡単な方程式とも言えぬようなロジックなのだけれども、そのシンプルさゆえに、自分自身が納得できるような考え方にしたいものである。

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