思考力

銀玉盆踊り

結構強い雨足の中、この1ヶ月間ずっと耐えていた依存に対しての意識が希薄になり、「その場所」へ行ってしまった。音と光、みな、一つの液晶画面を睨めっこしている、本当に異常な光景である。そして、「それ」に対して重度の依存だった私は、その悪癖を見事に蘇らせられ、ふと気づけば、目を剥いて高速回転する「それ」のルーレットの動きに集中していた。

実際、これは二日間連続で起こった事であり、やはり自分の意識の甘さが露呈されてしまった結果なのだから、因果応報という言葉を遣う以外ない。昨日のジャンジャンバリバリの状態から歩いて帰宅すると、一気に疲れのピークを迎え、風呂に入って眠りに落ちた。とはいえ、身体にとってはいい迷惑で、ギラギラに光る物の煌めきで、現在は昼だという信号を送られて、耳にねじ込まれる音は、その場を離れようが、問答無用で体を覚醒させてしまう。悪い依存というのは、やはり悪いという事を知りつつも続けてしまう事で、生活の一部や体のどこかを破壊していく。

悪癖をやらないようにするために必要なことは、夢中になれる何かに没頭することだ。悪癖を考えられないほどの時間をつくる。おおかた悪癖の方が刺激が強いものだが、自分が没頭できる物事を、毎日積み重ねていけばいい。そうすることによって、無理やり眠らされた自分を、まるで操り人形のように扱う悪癖から脱出させてくれるだろう。ただの光った銀玉が踊っているのを見て一喜一憂するのは、なかなか情けない。何にも誰にでも支配されない極めてシンプルな世界を歩んでいきたいものだ。

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