思考力

魚を丸呑みしない

優秀なビジネスパーソンの朝は、早い。そして、起床後の1時間を、極めて大切にする。そのような意識の高い人たちは、会社に完全に依存しない生き方を目指していることも多く、朝の脳味噌のゴールデンタイムを「副業」にチャレンジする時間に当てたり、今よりもっと安定した畑違いの職種へと移るための資格試験の勉強の時間などに当てている。多忙な本業の中、そのような積極的な行動力を持っている人は、今後の人生を明るい方向へ持っていく素質が十分にあり、また、効率的な「朝活」をするために、就寝前の環境作りにも余念がなく、脳と身体をリラックスさせ、まるで南国の海でリラックスしているような状態で眠る。高額な寝具に投資することも惜しまず、いかに気持ちの良い朝をスタートするかを考えているそうだ。

かつて、私が幼い頃の受験生のイメージというのは、瓶底眼鏡にハチマキを巻いて、寝る間も惜しんでガリガリ勉強するイメージがあった。「四当五落」などという言葉もあったくらいで、一日、4時間の睡眠時間で勉強すれば合格するが、5時間睡眠では落ちるという、現代の脳科学から見れば、全く的外れな考え方が蔓延していた。そんな考えは今や昔、健康を追求することを最優先にする人が多いので、体質改善や優れた健康法を編み出す書籍や動画が、数多く出回っている。また、普段の食生活では賄うことができない栄養素を、サプリメントで賄うような人も増えた。もはや、現代人にとって、「1日三食」という常識は、今では非常識になりつつある。

ただ、そのような「新常識」という最新の情報から得られた知識であっても、今までの習慣から抜け出すことは難しく、特に食生活に関しては、三食を一食にするというのは、なかなか困難。極論すると、今まで健康を維持できると信じていた食べ物の摂取方法そのものが、実際には、知らぬ間に身体に毒素を取り入れようとする愚行だったわけになる。自ら進んで外敵からの侵入回数を、快諾していたことが立証された現在。今まで当然のように教え込まれていた事実が、実は空論。そうなってくると、天皇を中心とした神の国が、「これからは民主主義です、主権在民の世の中になります」と主張し、焼け野原を見つめながら愕然としている日本国民の状態に似通っている。それはさすがに、極論すぎるか。

「春夏秋冬」。人は、季節によって生活を変える。真夏にスキーウェアを着て、海の前でスノーボードを抱えていても仕方がない。冬支度をする頃に、店頭に並ぶ商品が様変わりするように、季節の移り変わりは、少なからず人間の考え方に影響を及ぼす。また、「サザエさんブルー」なんて言葉があるように、日曜日の夜を迎える前に、気が沈むようになる人も多いことからも、やはり、人間の心の変化というのは、その時々の時間帯や日付によってでも、強く影響を与えることがある。

その時々に、気分の変化があることを理解していたとしても、その場その場での動きが変化しない場合、かなりの痛手を受けることもありえる。自分の現在の仕事に行き詰まりを感じているときに、投資家がボロ儲けをしていれば、やはり羨ましいという気持ちを抑えにくいのが人間の性であり、どんなに高潔な人であっても、自分がツライ状態で、狂喜乱舞して湧き上がっている周囲と自分を比較し、多少の焦りが生まれることは、完全に否定できないはず。インフルエンサーが、YouTubeの魅力を熱く語っていて、自分が勝手に広告収入に憧れて、大して上がらない視聴回数に耐え忍んでいたとしても、それは個人の忍耐であって、憧れるも憧れまいも、行動したのは自分自身。もし、そんな憧れのYouTuberが、YouTube市場の限界を感じて「投資一本」に気持ちを切り替えたところで、憧れようが憎しもうが、それは各自の自己責任に委ねられる。発信者だって、宗教じみた洗脳をしていたわけではないと言えば、それまでだ。

 

今後の人生の方向性を決めるにあたって、その根拠をどう見つけるかは、非常に大切であり、ダメな未来予測は、自分の考え方の根拠を、完全に人任せにしてしまうこと。あくまでも、自分の人生の主役は「自分」だという認識を強く持っていなければならない。政府が、個人型年金制度を用意したり、投資を運用する基礎を身につけられるような投資の非課税制度を用意していたとしても、それを優遇措置と考えるかどうかは、個人の判断によるものであり、失敗したところで、その責任の全ては、他ならぬ自分だ。

少額投資をするために、自分の生活が干上がってしまうのであれば、その投資は人生が豊かになっているどころか、思い足枷になっているわけで、「iDeCo」の運用益が非課税だとしても、引き出すときには課税され、原則、60歳以上出なければ引き出せないというシステムであることを知っていなければ、自分の選択が大きく間違った結果となることだって、十分あり得る。世間一般の流れに同調することが、自分にとって必ずしも正しいとは限らないし、前述したように、時代が変われば、その仕組みや考え方そのものが間違っていることだってある。

今、アメリカでは“FIRE”に向けて、労働漬けの人生からリタイアしようという人生設計を目指す人が多くいるようだが、”完全FIRE”が「完全」であることは、100%断言できるのだろうか。計算上は、不労所得が生活費を上回れば“FIRE”達成であるが、時と場合によっては、冒頭のように、自分の精神状態が変化することだってある。大きく騙されることはないと信じていても、その安堵感を突いてくるのが詐欺師でもある。“FIRE”を夢物語と考え切ってしまうのは、夢がないと言えるが、毎週月曜日の朝を、何不自由なく完全に緩やかに過ごせる人は、おそらくいない。

今日のニュースでは、静岡県の新型コロナウィルスの新規感染者数は「18人」。静岡市では「ゼロ」。ただ、これは、検査結果に基づいたデータであり、無症状の患者から感染した人数は含まれていない。別に、メディアの報道を「詐欺師」の情報と言う訳ではないが、やはり、自分の局へ視聴者を誘導するための細工が施されているのも事実。「もうコロナの収束の訪れ間近です」という情報を撒いて、1週間後に感染者数の増加を報道すれば、視聴者の不安を煽る起爆剤となる。だから、ニュースを精査・精読したとしても、それに頼り切って人生を変えることは避けなければならない。

自分を高める方法は何だろうか。少なくとも、自分の気持ちが落ち着いているときに、それを考えるべきだ。人生の良きルートを探し当てるには、他人の意見ではなく、最終的には自分の選択だということを肝に銘じること。「ハイヤーセルフ」というスピリチュアルな世界の考え方がある。自分の中に在る、高い次元の別の自分が示す直感的な生き方に従う。具体的な問題を取り扱った内容のブログ記事の締めくくりとして、目に見えぬ世界の話でお茶を濁していると思われてしまいそうだが、優秀なビキネスパーソンたちが、こぞって「瞑想」を取り入れていることからも、やはり、ありのままを受け入れ、そこから得られた「直感」に従うことも効果的だ。科学的にも、潜在意識という無意識の領域は、脳の9割以上をしめていると言われているし、輪廻転生があるとすれば、前世や来世からの指示に従ってみるのも、十分アリだと思う。

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