思考力

落として守る

今年は、とんでもない新年の幕開けとなった。大晦日から元旦にかけて、スーパーの「ありがち」な定番料理を買って、部屋で怠惰に貪りながら過ごす。もちろん、次の日だって同じ予定でいようとした。が、スーパーに着くなり自分の財布が鞄に入っていないことに気づいた。ここ半年以上、自転車移動なので、家とスーパーを2往復しながら財布を探索する。もちろん、相棒の姿形もない。二日目の昨日のスーパーへ行く時に落としたのだと思い込んだ。可能性があるとすれば、家の中。いつもの置き場所を念入りに探すが、願いも虚しく、財布はなかった。

こうなると、一番頼りになるのは、警察署となる。ネットで電話番号をする前に、財布が戻ってくる確率という面白い記事があったので読んでみると、「60%」というかなり高い確率だった。署に電話すると、色々と財布の形状や中身について聞かれ、折り返し電話が来ることとなった。一番イタイのは、免許証。次にイタイのは、デビットカード 。2つとも、再発行となると非常に厄介で面倒くさい手続きを取らなければならなくなる。しかも正月だから余計に手続きに時間がかかるはず。そんなことを考えていたら、滅多に鳴らない私の携帯が鳴り、下4桁「0110」の警察署からの電話発信を受け取った。

失くしてからすぐのことだったので、かなり淡い期待を秘めつつ様子を伺うと、既に警察署に届いているという嬉しい知らせであった。こればかりは、日本の治安の良さを大きく体感できたことだった。届けられた日時は、元旦の夕方だったということで、取り調べの時の時間と少々ズレていたのだが、免許証があるということと、デビットカードの名前と届け出た名前が一致していたので、返却してもらえることとなった。やはり、一番ややこしい手続きを必要とする物というのは、所有者を特定しやすい。だから、慎重に扱わなければならないのだ。そして、身元確認しやすい重要な物でもあるのだ。

昨年、車を手放した。その頃から思っていたことだが、やはり自転車移動で快適な暮らしは、外房ではなかなかできないと思っていた。まさに、今回のように気を抜くと重要書類を落としていたり、自分に非があったとは言え、自転車で頭蓋骨を骨折するのも恐ろしい。この土地で得たものは良し悪しを問わなければ、いろいろなことを知識として得られたこと。東京では味わえない経験が多く、やはり田舎特有の生活というよりも、外房に都会の華が咲いたような特異な地域で得られたことが多かった。

今回の件、自転車事故の件、それぞれから分かる事は、薬を服用しながらの生活では、注意力が散漫してアクシデントが起こってしまうということ。それならば、外房のゆったりとした生活ではなく、都会の中で自分自身がゆったりと生活できる「生き方」を探した方がいいのかもしれないと思った。新年早々、やはり「守り」に入るような記事を書いてしまったが、それが今の本音である。

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