思考力

母体に潜在するもの

 

「コンプライアンス」なんて言葉が、なかなか浸透し始めたとはいえ、そんな言葉とともにテレビ番組なんて、どんどんつまらなくなってきてしまった。まるで、先生がいる目の前で、少し友達の頭を小突いたり、悪口を言おうものなら、定額や退学処分にまでなってしまうような状態。これで、自分の理想とする番組などできようもない。ディレクターやプロデューサーも、アイディアがまるで鎖に繋がれている状態での番組作成になっているのだろう。千葉に引っ越して、惰性で買ったテレビのリモコンを押したのは、10回に満たなかった。人生の無駄な買い物のランキングの上位に挙げられる。

では、テレビがオワコンになっていけば、テレビに携わる多くの仕事が消えていくわけで、特にテレビCMなどは、電車の中吊り広告並みの意味しかもたなくなる。そもそも電車の中吊り広告など、今や乗客はスマホに熱中しているわけだから、全く意味をなしていない。経費削減で真っ先に削られるのは、広告費。つまり、5Gの流れが加速すれば、広告はスマホの中にスッポリと入り込んでいくことは間違いない。AIによるパーソナライズされた広告以上に魅力的な広告など、人間に作り出せるわけはないのだ。

ただ、子供時代に、このような仕組みを「理解」していなければ、AIの侵略を疑うことなく受け入れることになる。それこそ「シンギュラリティー」なんて言葉が聞こえ始めている中で、いつの間にか機械の奴隷になっていてはマズイのである。このように、子供時代に学習することが、今の義務教育で達成されるわけもなく、このままの知識の詰め込み教育が進めば、完全にZ世代の可能性は、潰れていくのは目に見えている。お金を稼いで、短期間で経済的に豊かになれることを「一発逆転」と考えるのであれば、隣の芝生を青く見るのではなく、周りの芝生がどうして青いのかを素早く「見抜く」ことが何よりも大切なのではないだろうか。

少ない収入で何千万円もの貯蓄を貯めた人は、最近、多く出ている。それは、ギャンブル的な方法とは真逆のことをしていて、支出を抑え、コツコツと積立投資などをした結果に得られた資金なのだ。賃貸物件を安く借りる方法を勉強し、生命保険などの無駄な支出を見直し、正しい知識でインデックス投資をするなど。他にも、いろいろな地味な貯蓄をしているものだ。今の時代に「億り人」になる人というのは、バブルやバブル崩壊直後の裕福な株主や経営者の姿とはかけ離れている。とても地味な印象だ。

FIREで早期リタイヤをした人。ただ単に、会社をリストラされてしまい職を失ってしまった人。どちらにせよ、やはり大きな組織に属していることから解放され、自分の立場を再認識していることは間違いない。人生はいつでも、いくらでもやり直しが効く。強い心持ちで幸せな心を保つために必要なこと。仕事場から強制的に追い出されたのであれば、悔しいと思う気持ちばかりではなく、やはり今後の人生を俯瞰的に見ることが正しい生き方である。人生は後ろ向きではなく、前向きに理解すべきだからだ。

そのためには、やはり人の話を傾聴する時に、しっかりと自分の気持ちとすり合わせて、感謝の心を持ちながら話を聴く気持ちを忘れてはならない。流して聞くのではなく、心から興味を持って「聴く」ことが大切。そして、そのような相手から得られた情報により、自分を高められる何かが得られれば、時の母胎の中に眠っている自分の可能性に、きっと気づけるはずなのだ。

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