思考力

アクセサリーよりフラストレーションに興味を持つ

 

怒りの感情を覚えたシチュエーションで、一体そのように対処したら、その場をやり過ごしつつ、後に引きずらないで済むのだろうか。自己啓発本であれ、坊さんの説法であれ、心理学の分野や、科学的な論文でさえ、怒りの対処法に対しての完全な解答というのが出ていないのが現状。「出ていない」という表現は、なかなか的確ではないにせよ、それぞれの主張と主張がぶつかり合う。そして、「怒り」という負の感情が、自分の心身を壊しつつ、知らぬ間に自傷行為を繰り返し、無意識のうちであれ、身体が悲鳴をあげるという結果に着地してしまう。

「知らぬが仏」というが、やはり世の中、知らなければ腹を立てずに済むようなことも非常に多く、モノの値段であれ、実は原価を考えたらボッタクリとしか思えないような商品だって、しこたま溢れかえっているものだ。かつて、原宿のインディアンジュエリーショップに行列ができ、店内に入ることもままならぬ状態があり、メディアがそれを報道するほどの熱狂ぶりであったが、そもそものシルバーの原価などたかが知れている。確かに職人の魂が込められつつ、希少価値が高いアイテムとはいえ、やはり消費者の過剰な反応は、今考えれば狂気の沙汰だった。

今、モノを極限状態まで減らしつつ、無駄な装飾品などを持たないことこそが美徳とされている時代に、もはや、指輪やネックレスに金をかけ、長時間待つなどという行為は、全くもって愚の骨頂としか言いようがない。もちろん、ある分野に強いこだわりがあるのであれば話は別だ。例えば、車に関心があり、どうしても左ハンドルが良いというのであれば、その分野を極めるべきだ。ただ、それがただの見栄で、その車に合わせた、高級腕時計やスーツなどの装飾品にまで手を出すというのは、ナンセンスだと言いたい。いや、どの角度から見ても愚かではないだろうか。

かつて、日本が高度成長期からバブル期には、世界中が注目するほどの日本のこだわりの文化が高く評価されていたが、今の日本のGDPと今後のGDPの比較などを考えれば、日本の衰退は、目に見えて分かる。もはや、アメリカの言いなりにならざるを得ない日本。そして、自民党総選挙でのカネの多数派工作などできない情報拡散のスピード。嘘や裏曲がいいとは決して言わない。ただ、自分が総理になった時の理想像を熱く語りつつ討論になったとしても、現首相が、コロナワクチンの接種を後押しして逃げ切る作戦をするばかりだから、何を熱弁されたとしても、どこか胡散臭い感じがする。

ある特定の事件や事故の報道にさえ、「誤報」の可能性は十分にあり、それはカンタンに揉み消されてしまう。このブログでは、何度書いたか分からぬが、視聴者の不安を煽るために盛りに盛った情報の中には、誤報という異物が混入されてしまうこともあり、ある報道に対して、自分自身の考えとすり合わせて、取捨選択をしなければならないところを、マスコミの報道のみに引きずられているのであれば、大きく選択ミスをしてしまうであろう。

もちろん、ある事件に対するマスコミの報道に対して、自分自身の考えをすり合わせ、そこに強い怒りの感情が生じたのであれば、その問題意識を常に持ち続け、自分の考えを整理しておく必要がある。無批判に情報を受け取るだけでは、歯ブラシが知らぬ間にボロボロになって、本来の役目を果たせなくなってしまうように、常に自分の情報感度の触覚を高くし、磨いておく。そして、そこから生じた自分の感情の変化を俯瞰して見る。そのようなこだわりというのは、くだらぬモノへの執着心よりもはるかに大切なことであると言えよう。

人を車で轢き殺し、自分は無罪だと主張するエリートな人間の責任を、徹底的に追求した遺族の怒り。その怒りを冷静に抑えつつ、マスコミの記者会見で、自分の心境を語る勇気に、どれだけの苦しみが伴ったのであろう。全く面識のないニンゲンに殺害された高齢者がいて、そのような狂気に囚われた人が、このコロナ禍の不況の中で、どんどん増殖するのではないかという不安な気持ち。このように、起こってしまった事実に対する自分の心情を、冷静に自分の問題として考えなければ、いざ自分が窮地に立たされた時に、身動きが取れなくなる。

最近、何の影響かは断言できないながらも、災害国家の日本に近づく台風。現在、日本を覆うような形で予想された進路を少し外れつつも、日本に接近中の台風がある。それが上陸し、私の済む地域が大水害になったら、どのように動くべきか。すでに一度、豪雨で車を水没させてしまっている私は、どのように避難するべきか。もはや、記憶も薄れかかっている、熱海の「盛り土」による土砂災害の犠牲となった人や、その遺族の人たち。そのような人と、車を失っただけで済んだ自分。また、現在、台風の進路が自分の済む場所に上陸しようとしているのに、なんの対策すらしていない人へ、せめて避難用の食材や衣類の整理をしておくことはしておくことをアドバイスしたい。

メディアの報道には誇張された極端な報道がなされるが、それが実際に起こった現象であるのなら、メディアの意見などは一切無視し、自分の考えを膨らませていくことは、非常に大切なことであると言えよう。自然の脅威に晒されてしまった人や、狂気に囚われてしまった人、過去に過ちを犯してしまった政治家や逃げ回る元エリート。そんな人たちを眺めながら無批判でいるのなら、何かの不可抗力や誰かの野心で、大物の毒蛇に捕まったような悲惨な状況の自分が、どこかで助かる可能性を見つけ出せるか否かの瀬戸際で、火事場の馬鹿力を発揮できる可能性も薄れてしまうであろう。

体調を整える。夜、眠る前に心を落ち着けて、短時間で入眠できる体調を作り上げる。常時薬を服用している私には難しいこととは言え、努力できることはやる。眠れないことを誰かのせいにすることなく、あくまでも自分の問題なのだと、正面から受け止めること。そのような潔さを持てるのは、やはり自分の考え方次第でもある。そのような考えの切り替えであっても、やはり普段からの自意識を整えることで得られる利点でもあるのだ。

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