思考力

アウターバウンド討論会

 

もはや誰も気にも留めなくなってしまったような、コロナの新規感染者数の報道。まともに心配しているのは、整形外科などの待合室などで、長い列をなして開院を待ち、腰の牽引を待つ横並びの椅子に座っている高齢者たちだけなのだろうか。せめて、「密」になることのないように、自分自身の身の安全の心配をしてもらいたい。日に日に変化するマスコミのコロナに対する煽り方も、最近の私の気になるところでもあり、本日は、ある市内で会食していた8人が感染し、新たなクラスターとして認定され、その県の全額負担で抗体検査が行われるという報道だった。

明日は、どんなタイトルを持ってくるのだろうか。がんばってスマホをマスターしたお爺ちゃんお婆ちゃんが、最新情報を手に入れるのにふさわしいタイトルを、一体どのようにマスコミが作ってくるのかに、奇妙な興味まで湧いてくる。このような、明確な基準となるデータがない情報を、ただのマスコミの煽りだということに気づかない人たちは、ただの情弱に過ぎないと考えるべきだと、私は勝手に思っている。多少冷たい言い方にはなってしまうが、実際の私の考えなのだから、広い心で読者の方々には、みてもらいたい。

新聞という紙媒体のメディアから、インターネットという異次元のスピードの情報速度の世界に移り変わり、手に入る情報速度が一気に上がった。それと同時に、新聞という誌面では、画像しか得られなかった情報が、インターネット上では、動画となって閲覧できるようになり、さらに、それをライブ中継で観られる。さらに、そのライブ映像情報がYouTubeに残っていれば、ライブ動画を見逃していたとしても、何度でも同じ映像を見る事ができる。もはや、深夜のエンタメ番組を心待ちにして、眠い目を擦りながらビデオ録画をし、それを何回も楽しむために、何度も何度もテープが擦り切れるほど観た頃こそが、夢の世界だったかのようだ。そのような視点から考えると、私は、まさに「夢」を見ていたということになる。

東京2020ブルーインパルスの飛行機の描く飛行機雲だって観られるし、いつでも好きな時間に、最新の気象情報を見ることだってできる。こうやって、日付跨ぎの、ややフライング気味の毎日更新ブログを書いて、眠れぬ夜のリラックスピアノを聴くこともできる。時間という買い戻す事ができない資産価値が、ますます高まっていく中、インターネットの普及で、今までの仕事が確実に時短されている状態になっているわけなのだから、かつての「週5日勤務9時5時」の生活は、崩壊していなければならないはず。つまり、日本の正規雇用の会社員というのは、完全に「ガラパゴス労働時間」に拘束されているのだ。

私はといえば、非正規雇用だったとはいえ、夏期講習や冬期直前講習などでは、普通の会社員の労働時間をはるかに凌ぐ重労働の中で、その渦中で受けた心の心的外傷の整理が未だにできていない状態。とはいえ、人間の生存本能というのは、その進化の過程の中で、ネガティブ志向でなければ生きていけないという生物学的脳の回路が刷り込まれているのだから、無理にポジティブ志向になる必要もない。ただ、私が確実に変われたと思うのは、千葉という新しい土地の中で、どんなに体調が悪くても、オーバーなくらい笑顔で挨拶をし、必ず雑談をするように心がけ、それを実践しているということだ。

これは、確かにパワハラでブラックだった会社で身につけた、いわば「営業スマイル」のような術ではある。しかしながら、それを普段の生活に取り入れることで、ここまで生活が楽しくなるとは思わなかった。新しい環境へ行くときに、笑顔で雑談をし、すぐさま部屋に入ってしまえば、あとは「人殺し」のような顔をしていたって、相手には伝わらない。しかも、常にニコニコしていて、話上手な印象を与えているから、あとは向こうから勝手に話しかけてくれる。そうなれば、もうこちらの勝ち。あとは、多少、精神的にキツイときは、手短に雑談を終わらせて、少し急いでいるフリをするなどのテクも身につけた。

人の第一印象は、たしか半年以上残るということを憶えているが、今住んでいる向かいのおばあさんとの友好的な人間関係を築けているのは、終始コミュニケーションを大切にしていたからだ。全てを受け入れられようとするのではなく、自分の中にある明るい部分だけを、一時的にでもいいから切り取って、相手へ伝えること。これが、どれほど大事なことかを知った。徹底的にモノを断捨離し、落ち着く空間のことばかりを考えていたのだが、人間関係においても、相手に対して、自分の内に秘めた側面の明るい部分だけを伝える。それ以外の苦しい気持ちは、誰も見ていない空間で吐き出せばいい。

2つの台風が接近中。最初の台風は中国へ向かい、悲惨な土砂災害とコロナ発祥の地ということで、えげつない皮肉の声も上がっていたが、常々、このブログで綴っていたように、やはり「明日は我が身」。次に発生した台風は、関東・東北へ向かう”アウターバウンド”という現象で、台風の輪郭部分の強雨が予想されている。そして、その台風は、日本へ変則的に向かう進路を辿っている。ウェザーニュースは、大忙し。晴れる地域は、厳しい暑さ。火曜日は、アウターバウンドの台風への注意喚起。めぐるめく天気の情報だけでも、整形外科のリハビリ室の話題は、尽きないだろう。

ノーベル賞候補だった教授が、登山中に遭難した可能性があるという報道には、多くの心配のコメントが寄せられる。雑木林で見つかった女性の遺体は、遺体遺棄で捜査が行われ、寄せられるコメントは、皮肉や冗談まじりのものばかり。こう考えると、今やインターネット上で交わされている情報に対しての視聴者の心情や感想などというのは、所詮、冴えないBARで、よく分かってもいない政治の話で、安い酒に酔っ払ってウンチクを垂れている低脳な輩と、そうそう変わりはないのだと思い、ただただ呆れるばかりである。

今は亡き、父と母。幼い私の両隣を挟んだ写真を飾っている。私を大切に育て上げてくれた両親に恥じぬ思考回路を整えていこうと思う。

 

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