思考力

穴を知る

昨晩、ピザをドカ食いして、その勢いで夢の中へ入ってしまおうという魂胆だったのだが、なかなかそんなに上手くいくはずもなく、結局のところ、昨晩不眠に苦しめられたことを示す砂糖たっぷりのジュースの缶が、玄関に転がっていた。立て続けに夢を見た記憶もあるが、今こうやってパソコンに向かっていると、何の夢を見たのだかも覚えていないのだから、大した夢でもなかったのだろう。

毎日、海沿いをドライブしている。まるで、仕事のようだ。ただ海沿いの風に車を乗せて走っているのは、とても気持ちがいいし、何の苦痛もない。Bluetoothに接続したスマホから流れてくるYouTubeの音声も、どんどん頭に入ってくる。これは、とても有意義な時間だ。人間の欲する欲望は、そのまま有益な情報となり、「お金」「健康」「人間関係」に関する3つの要素が強くなり、その情報というのは、今の自分にとっても、欠かすことのできない情報だ。たっぷりと車の中で吸収している。

ちょうど、昨日の海岸の駐車場で、とてもおしゃれなクラシックカーが停まっていて、その隣に自分の車を停めた。実は、30代前半の頃、その車に短期間だが乗っていたこともあり、その車がすぐに壊れてしまったことから、結構なトラウマがあったのだが、昨日見つけたその車は、とても綺麗なカスタムをされていたこともあり、思わずオーナーに話しかけてしまった。自分の車や持ち物を褒められるというのは、その所有者にとっては、この上ない喜びだし、自分の自慢のこだわりをわかってもらえる人と出会えると、価値観をシェアできるという喜びにもなる。さぞかしうれしかったと思う。

私も、クラシックカーは、大好きで、道ですれ違うだけで、とても幸せな気持ちになる。だから、そんな旧車好きのオーナーの車を見て、やはり自分の物欲も刺激されるもので、スマホで旧車専門のショップのサイトを閲覧していた。ただ、結局のところ、「足るを知る」という言葉を真摯に受け止めていれば、物欲にはキリがないということを知る。燃費が悪く、乗り心地も悪い、故障を心配するような車より、今の燃費も安全性能も良いコンパクトカーで十分なのだ。そんな車で海岸線を走っていれば、気持ちも楽になる。だから、旧車の前で、その車を褒め称えてしまったのが、今の愛車の目の前だったので、私の愛車には、本当に申し訳ないことをしてしまったと思っている。

先日、スケボーをネットで買い、今日届く。水着を買ったけれども、まだ一回しか水泳をしていない。買ったものを活用できないのであれば、それはただのゴミと化してしまう。だから、買ったのであれば、壊れてリペアすらできない状態になるまで使い続けるべきなのだ。そうでなければ、決してお金を有効活用できているとは言えない。限りある時間とお金。それらを有効活用するためにも、やはり自分の購入した物への「責任」を持たなければならないし、持っているのが当然なのだ。だから、買う時であっても、極力慎重にならなければならない。

物を購入して得られる満足のピークというのは、買ったその時が一番高いと言われている。実際に、そのようなデータだって出ている。だからこそ、「足るを知る」という気持ちを忘れてはならない。今、愛車で海辺を走るという最高に気持ちの良い状態というのは、お金では決して買えない「経験」だ。だから、経験に投資するという気持ちの方が前に出ていなければ、そこに費やす物に対する価値は、全く無くなってしまうのだ。

今、光回線解約に関する電話がかかってきた。引越しを機に、全て解約していたはずなのに、なぜか多額の請求があったのに疑問を抱いていたため、電話対応を求めていた。解約手数料などを含めた料金が、どさっと請求されていたのだった。しかも、いつの間にか無料のオプションが、有料になっていたりもしていたので、固定費の見直しに躍起になっていたはずが、いつの間にか穴が開いてしまっていた。そもそも、アパートの光回線を接続していれば、毎月の料金など一切支払わずにいられたわけだから、2年以上もの通信費を「お布施」として納めていただけとなる。

総額、20万以上にはなるだろうか。もはや、見栄を張っていることに無自覚だったり、穴にも気づかないような無知なのであれば、どんどんお金が吸い上げられる時代だ。自分の財布に優しくしてあげられる気持ちを持たなければ、食い潰されてしまう。そして、くだらない浪費を避けつつ、堅実に生きる気持ちをキープしていれば、本当の意味での「足るを知る」ことができるのだと思う。

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