思考力

箱の中に消えた考えを掘り出した箱の中の人

どんなに嫌いであった会社であっても、絶対に許せない憎しみを拭えない会社であっても、そこで出会った生徒を大切にしている気持ちは、今でも持っているし、これからも同じだ。正直、人間であるから、相性の問題もあるので、顔を思い出すだに、記憶から掻き消したい生徒もいれば、社内で心から尊敬できる同僚もいた。ただ、やはり「ブラック」な会社から抜け出し、この一年で自分の人生を見つめ直せたことは、本当に良かったと思っている。いつも、表現に困るのではあるが、私は「コロナ」のおかげで、人生が大きく好転したのだ。

今、朝の4時半を少し回ったところ。手書きでブログの下書きをし、記事のアウトラインを作成するのに1時間以上かかるので、3時半くらいからブログを作成している。最終的に、記事を書き上げて、画像を挿れて完成させれば、朝陽が出ていることだろう。会社員をやっていない身分だから、早朝覚醒であれど、午前中に眠くなったら、リラックスしながら「ストレスリリーフ」のBGMで軽く眠り、午後のエネルギーを蓄えたら、脳疲労も復元。それで幸せに目が覚めれば、午後の活動も活発になる。そんな贅沢な暮らしこそ、私が求めていた生活であり、勉強や仕事を最大限に効率性を上げるための、私にとって必要な暮らしだったのだ。だから、自分が「会社員」として働いていたということは、最も自分の身体と脳と心に大ダメージを与えていたのだと再認識する。

私が、会社員として勤務していた「塾産業」は、教育関係ではありつつ、やはり「サービス業」である側面が大きく、子供の数が減少すれば、必然的に客足が減るわけであり、塾での態度が悪かろうと、通知表や内申書など存在しない校舎の中で、「金を払っているのだ」というデカイ態度でいばり散らしてくる保護者や、成績が上がらずにイライラし、塾の指導が100%悪いと言って、捨て台詞を吐いて去っていく生徒。果ては、周囲の成績が上がりだすと、自分だけが置いていかれることを恐れるが余り、授業を妨害するような卑怯者も出てくる。

皆が、歯を食いしばって、夢を実現させようと勉強に励んでいるときに、まさに「モンスタークレーマー」のような態度で、塾そのものを獣の如く潰しにかかってくる。さらに、こちらが、挑発に乗れば乗る程、付け上がってくる。関わってはいけないニンゲンだと分かっていつつ、ソイツを受け流すとうことは、他の受講生を無視することになるので、授業中に怒りを押し殺さなければならなかった。仮に、そのような輩が、受験でゴーカクしたとしても、人間としては「不合格」。若いうちから、すでに卑怯者がやりがちな事をやっていれば、いつかつけが回ってきて、動けなくなる。

私は現在、ブラック企業の塾で、教壇を降りている状態だ。卑怯者のことを思い出して、今でも怒りが爆発することもあれば、そんな人間の妨害行為に耐えた自分の賢さを、自賛したくなった。私は、最後の年の秋から、横山雅彦著『ロジカルリーディング』から得た「三角ロジック」の考え方に基づき、毎回の授業で、膨大な「三角ロジック」のプリントを作成し、それを最後の授業まで配布し続けた。最後の方は、授業中に、ほとんど意識がなくなるほど疲弊していたが、最後の最後まで休むことなく、最高品質のプリントを作った。なぜなら、私を信頼してくれ、自分の夢や目標をシッカリと持って学習に取り組んでいる教え子たちに贈るプリント作成に、妥協することは決してできなかったからだ。

今頃、私を慕ってくれていた教え子たちは、上手く高校生活を送れているのだろうか。未曾有の大惨事となった「新型コロナウィルス」による世界的大ダメージによって引き起こされた被害。そんな渦中で、私のDNAは、今でもどこかで受け継がれているのだろうか。伊藤羊一著『一分間で話せ』という書籍の売れ行きが、とても好調だ。これは、プレゼンや会議などのスピーチで使える「情報整理術」として、「ピラミッド型」にようやくする術をまとめている。そして、これは「三角ロジック」の考え方と、ほぼ同じなのだ。私の元から巣立っていった教え子たちが、この書籍に出会い、私のことを少しでも思い出してくれたら、睡眠時間を度外視した私の過去の努力も報われる。

「コロナ禍」で、去年は常時品薄だった生活必需品が、今では在庫過剰になりつつあるようだ。「三種の神器」と呼ばれる「マスク」「手指消毒剤」「非接触体温計」。新型コロナウィルスが猛威を震い始めたことには、我先に求められていたアイテムも、時間が経てばニーズは無くなっていく。逆に、「ステイホーム」から、玩具メーカーや、菓子冷蔵食品会社、女性用化粧品薬などの需要が伸びている。

最近のトレンドワード「ミソノジー」であっても、女性は男性の支配下にいなくてはならないという、女性嫌悪で女性軽視な時代遅れな考え方。女性解放思想に基づく「フェミニズム」の動きで、「ジェンダー」による格差は無くなったはずだが、無意識の特権意識に基づいた女性に関わる「処罰」のような現象が、掘り起こされたりもしている。本来、差別を助長するようなことを排するために、あくまでも正確な情報を、ニュートラルな立場で発信しなければならない報道番組で、その番宣CMそのものが「時代遅れ」なCMを挟んでしまっているようだ。

このような不愉快な現象が生じ、そこに強いバッシングが起これば、テレビを媒体として得られる情報が、無意識のうちに脳に刷り込まれ内容、個人が発する情報の方が、よっぽど信憑性が高いと言わざるを得ない時代の幕開けとなる。コロナ禍で、家にいながら、ぼんやりとテレビの情報を右から左に流しているうちに、歪んだ固定概念が気づかぬうちに脳を支配していることも、十分あり得る。コロナ禍で、自覚症状が出るか出ないかよく分からない状態で過ごし、「ガン見発見者数」が1万人程度いるというデータが出た。洗脳と肉体的健康には、十分気を張っておかなければならない。

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