思考力

強風を押して視る

積極的に体を動かしていると、体へのダメージは、当然蓄積されていくわけで、混雑した整形外科のリハビリだけでは、時間も労力もかかってしまう。それならばと思い、昨日は、温泉施設に行き、大浴場でサウナと露天風呂、さらに岩盤浴まで利用した。ここまで来たらと思い、その施設で初めて利用する「全身」「足」のセットコースでマッサージを受けた。かなりの出費になれど、前々から気になっていたマッサージだったので、物は試しと思って、施術を受けた。

東京にいた頃に受けていたマッサージは、とにかくくすぐったく、まともに疲労が取れていなかったので、くすぐったかったら途中でもやめてしまおうかとも思えるほどの恐怖があった。そこまで怖がるのであれば、高額なマッサージなど受けなければいいのではと思われつつ、やはり最近のスケボー熱で酷使していた体を、何らかの形でほぐしてあげたかった。

台湾出身の人に施術してもらったのだが、最初は痛いくらいで、これも力加減を弱めてくれと頼めば、その通りになる。いわば、自分でボタンを押さないで口頭で強さを加減できるわけだから、「Siri」や「アレクサ」のようなモノなのかもしれない。さらに逆転の発想をすれば、このようなマッサージであっても、口頭で加減の調節ができるばかりか、自分の脳波だけで最適な力やツボを刺激してくれることになるのかもしれない。マッサージ機というマシーンが昭和の頃からあったのだから、この進化版が出てくるのは間違いない。AIの流れが加速している中、人間の力仕事というのは、やはり様々な場面や局面で消えていくのだろうか。

全身のマッサージが終わり、施術してくれた人に自分の体が凝っているかを訊けば、「全然凝っていないけれども、ブヨブヨだった」と言われてしまった。しかも、もっと運動した方がいいとまで言われる始末。自分の節制のない食生活を改めることと、まだまだスケボーで鍛えなければならないという反省が浮き上がってしまった。何ともズバズバ物事を言ってくれる台湾出身の施術師だったが、仮にこれが「メカ」の対応であれば、かなり譲歩してこちらを指摘してくれるのだけれども、人間の性格というのは変わらないから、ズバズバ物事を言う人に遠慮しろということはナンセンスなのかもしれない。

温泉では、全く体が温まらなかった。サウナにいても、確かに熱く汗も流れ落ちるくらいなのだが、水風呂にはほとんど入れず、身体の芯から冷えが来る始末。帰宅して眠ろうとしても、そこに眠気が来ることはなく、何やら寒い。予報通り、朝はとても冷え込んだようだが、こんな状態の自分にとって、この朝の冷え込みは辛く感じた。モソモソと起きて、喚起をしようとカーテンを開けてみれば、窓が閉まっていない。さらに、部屋を出てみれば、アパートのゲートのアーチ状の門が、強風で根元から折れて倒壊していた。仮に、あと1メートル門が長かったら、私の愛車はぐちゃぐちゃだった。そんな悲惨な光景。この門のところで、私は頭蓋骨を骨折したのだから、何やら不吉な予感がしてならない。

昨日から今日にかけて、東京に一泊するつもりが、手帳を見れば、今日から明日の宿泊だった。だから、今日はこのまま自宅を出て東京に向かうか、それとも明日の耐えがたい眠気にうちかって、自分を東京に向かわせるか。どちらになるのかはわからないけれど、今ぐるぐると廻っている洗濯機が止まる頃までに決断しようと思っている。

-思考力