思考力

こだわりの前に

最近は、朝、肌寒い日も出てきて、天気予報では、この先ずっと30度を大きく超える日はないようだ。秋風が吹き始めると、何やらの焦燥感が生まれるのは、苦しかった受験生の頃のトラウマなのだろうか、一気に気持ちもヒンヤリと冷めてくる。特に、ナマポニートの状態で過ごした今年の夏は、今まで以上に苦しい夏であった。そんな気持ちを埋め合わせるために、昨晩も酒を煽り、今朝は、毎度のことながら飲んだ後の浅い眠りと共に、不快な寝起きとなった。

私は、仕事というものに対して、異常に厳しい視線を置き続けていたのだと思う。塾の講師をしていれば、その一つの授業を、最高の形で終わらせたいがために、授業中であれ、授業以外であれ、もっと言えば、プライベートを犠牲にしてまで力を注いできた。その最高の授業を届けるために、王服3時間以上の勤務も、なんとかこなせていた。ただ、どう考えたところで、非常勤講師の給料というのは、働いた時間にしか発生しないのであり、適当に授業をしようが、熱を入れて授業をしようが、受け取る金額には変わりはないのである。

生活を成り立たせる場合、仕事へのこだわりをもつことと同じくらい、いや、それよりもっと先に優先させることというのは、オンとオフのワークライフバランスなのである。自分には、それができなかった。やはり、自分にとっての講師としての「教える」という最高の仕事に、妥協をすることはできなかった。明日やれば問題ないという気持ち。それをもつことそのものを「悪」だとみなしていた。

今年の夏を振り返れば、私の変なプライドが、いかに自分の人生を苦しいものとさせていたのかがよく分かる。まずは、自分の生活を守ることを考えた上での自分のこだわり。そのような基盤を作るという考え方を持たなければ、自分に撮ってのこだわりというのは、ただのワガママになってしまうのだと思う。今、こうやって、自分の中に自分を閉じ込めた状態で、自分の過去を振り返ると、やはり今後の生活の重きを、どこに置くかということを考え直さねければならない時が来ているのだと思うようになった。

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