思考力

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日本語には「意思疎通」という素晴らしい言葉がある。テレパシーのような半分神がかったようなものではなく、相手との深いコミュニケーションでは欠かせない、とても大切なつがりを必要とするツールだ。ただ、日本人は、極めてコミュニケーションを苦手とする人が多く、「言わずもがな」という感覚で、最後は相手の理解力に託すパターンが多いものだ。人生は、死に向かって一歩一歩確実に進んでいるのに、油断して足踏みをしていても、あまりいい結果は受け取ることができない。

こう考えると、自分の心の中に存在する、自分の心の扱い方を再考しなければならない人も多いはずだ。相手とコミュニケーションをとることが上手ではない人にとっては難しいことであるが、伝達手段の一貫として、ある程度、意思疎通のできる相手との対話の中で、自分のコミュニケーション能力をブラッシュアップしてみるのも良い。案外、世間で善しとされている人こそが、あまり善い人ではなく、幻滅することだってあるかもしれない。また、自分の物差しが、たまたま先入観で曲がっていたのかもしれないし、あるいは、世間一般の感覚が、自分のそれと一致していなかったから生じる違和感だったのかもしれない。

実に、世間一般で認められている人というのは、得てしてコミュニケーション能力が高い場合が多く、シンプルに自分の心を相手に届けることができ、自ずと相手との距離を縮めることができる。逆のパターンで言うと、HSPなどという気質を知ったのだが、それこそが、まさに私のような臆病な繊細人間の症状であった。あまりにも高く神経が昂っている人。まさに、いつも気の弱さを隠しきれない自分と同じだ。

現在、私は、他者とのコミュニケーションは、なかなかうまく取れている。会社の面接などでも、スラスラと言葉が出てくるようにもなっている。繊細さんの自分でも、心の中をシンプルな状態に保ち、意外と自分の気質を変化させるのは問題なくできるようになるものだと思えるようになった。そのコツとして、私が強く気をつけていることは、必ず相手の名前を憶え、その人の名前を、必ず会話の途中に散りばめるようにしている。また、その人の経歴などは、失礼のない範囲で、できるだけ早く、できるだけ詳しく知っておくべきだ。これは、些細なことだと思いきや、とんでもない効果を得られることを知った。

こんな誰にでもできるようなことを、自然とできるようになると、当たり前のように相手との意思疎通ができるようになる。特に、このように、毎日文章を書きつつ、自分の考えをパンや蕎麦のようにこねくり回すようにしていると、会話への集中力が高まる。その蛇口を存分に開き、臨機応変にメリハリをつけられれば、相手の名前を絶妙なタイミングで差し込み、相手の経歴を心から称賛することだってできる。最近の成功体験から、そのように強く考えられるようになった。

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