思考力

笑う門から入ってくる人

うまくいっている人の思考回路というのは、一概にコレだと定義づけることはできない。ただ、生きるということをスムーズに行うために必要なことは、やはり顔全体の筋肉を緩めてニッコリ笑顔を作ることであり、下手でも良いから会話に冗談や雑談を時折混ぜることが大切である。このように、人間関係に潤滑剤を絶えず注入してあげることで、人間との付き合い方やコミュニケーション能力というのは、大きく改善され、高まっていくのである。

千葉外房に移住して学んだことは、まさにこのことだった。教えるという仕事の中では、生徒とのスムーズなコミュニケーションが必要であり、それができなくば、自分の講師としてのポジションが危うくなる。これは、勤めていた塾だけに限ったことなのかもしれないが、何であれ、人との円滑なコミュニケーションというのは取れるにこしたことはない。もちろん、無理をし過ぎればギクシャクした関係になってしまうが、第一印象を良くしつつ、満面の笑顔でコミュニケーションを取れれば、その後の展開は明るいものとなるはずだ。

インターネットや本などで得られる情報が、とても多くなったことで、人間同士から得られる情報というのが少なくなってきている。ただ、人間は最後まで人間であり、最終的には、人間同士が支え合えるような関係こそが、目指すべき理想郷なのである。希薄な人間関係でできうることというのは、実は単調な作業でしかなく、やはり一概には言えずとも、成功者の思考を手にするためには、濃い人間関係や快適な人間関係から得られるのではないだろうか。

この後に及んで、自己投資で見栄をはってモノを買う人は少なくなっている。だから、やはり、自分を高めるために必要な投資というのは、深い人間関係を保つことができる有益な情報を交換しあえる他者と、いかに多くの時間をシェアできるかに関わってくる。コロナで生活が困窮し、食糧無料配布に大行列ができる。フードバンクを利用する年代や事情なども、随分と多様化したようだ。食べるものにまで困る人が増えるとは、とんでもない時代となってしまった。

お互いの人間関係が希薄な集団生活に嫌気がさしたといって、そのコミュニティーから外れた時に、その末路が、誰かを助ける道に繋がるのか、誰かを傷つけようとする奈落の底に繋がるだけの道になるのかは、それこそ時代の流れによるところも大きい。大きな規模の会社が潰れかかっている。もはや、正社員として就職する会社に安定を求めること自体に無理が生じている。日本の末路が大変な方向へ向かう中、自分なりのコミュニティーを創造するのであれば、常日頃から心をオープンにして門戸を広げておくことも大切なことだと言えよう。

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