思考力

シロクマの財布

 

4月からずっと続いていた、睡眠時と起床時の謎の寒気。今は、やっとのことで収まっている。ただ、治っているという表現が正しいかというのは、はなはだ疑問。今の日本で、寝苦しいほどの暑さの中で、苦しみながら眠っている人が多いのであれば、私はエアコンをつけて眠れば、寝苦しさはない。だから、眠っている間の寒気が、モワッとくる夏の寝苦しさを、大きく緩和しているとも言える。すると恐ろしいのは、今年の冬である。もはや、四六時中、「シロクマ」の着ぐるみを着ていなければ生活が成り立たないほどの「極寒」の世界へと突入することになってしまうかもしれない。

自分の「白熊状態」を心配しておくのも大事だが、まだ1回目の接種すら受けていない「コロナワクチン」の接種は、いつになるのかも気になるところ。このワクチンが、人類を救うワクチンなのであれば、日本は中年層を見殺しにしているようなものであり、気持ち悪いほどの涼しい夏を過ごしている私にとって、コロナとシロクマに同時に襲われるのは、なかなかの危険要因であり、心配なことである。また、記憶から消えかかっている、大雨によって引き起こされた土石流の災害や、今まさに接近中の台風によってもたらされる予想される被害、ウェザーニュースでは、私だけでの問題はない、地球温暖化による「逆白熊現象」で、マスコミは、国民を煽り続けている。

もちろん、天気情報に関しては、”fact”の情報であるから、万が一の避難勧告が出た際の大切な情報となるが、毎日変動する「コロナ新規感染書数」の増減の不安の煽り方には、もう懲り懲り。今日の煽り方でいえば、アメリカでのワクチン接種で、症状ありの感染者は、0.1%未満という報道であったが、アメリカのマスメディアであれ、視聴者の「ネガティブ意識」を煽っているはずで、そもそものデータの分母の数字が、果たして何を基準にしているのかが明確になっていない。

アメリカでは、ワクチンの効果が大いに期待できると安心させ、日本では新型コロナウィルスに感染したのは、「72人」もいて、70人代は3日連続だという。この数字が、安心させるための数値なのかと思えば、そうではなく、677件男女の72人の感染確認の数値であって、クラスターも2件「も」発生したという報道。結局、分母を明らかにしないデータに基づいた数値なのであれば、不安を煽るようなタイトルをくっつけて、あとは視聴回数のデータの推移を見つつ、動画タイトルとサムネイルのインパクトに関する「クリック率改善ミーティング」が行われるのであろう。そう考えると、マスコミというのは、視聴者を手玉にした、不安増強剤開発の主犯なのである。

五輪開催を批判していた報道社が、今ではメダル獲得のニュースを平然と発信し、素晴らしいメダル獲得と選手の「奇跡と軌跡」を報道している。東京の2848人のコロナの新規感染者数の中、首相は五輪中止を否定し、オリンピック後の感染者の激増の可能性には一切触れていない。また、アメリカが投下した原爆が原因の「黒い雨」の被害者の救済を、現在のカオスと化しているNIPPONの状況で、わざわざやることもない。そんな選挙当選目当ての偽善行為と売名行為をしている政治家の様子も報道中。「黒い雨」の被害者への思いやりを示すのであれば、爆弾を落っことした「米国」に直訴し、損害賠償を求めるくらいのガッツは欲しいものだが、超長期戦となる事をしても、「清き票」は集まらない。即席で対応できる行動をしなければ、支持率は上がらないのだから。

今、私には、友達らしい友達など、1人たりともいない。独りで人生をブチ抜くには、最高の環境だ。なんて自由な時間なのかと、大いに幸せを感じている。また、わざわざ体調を整えて会社に行って、全力で授業をした後に、放心状態で帰りの電車に乗る必要もない。現在のオンラインの授業で、私を信用してくれる教え子たちや、今後のオンライン化される教育へ全力を投じているような仕事仲間に恵まれている。コロナ禍で、半ば強制的に、オンラインで仕事をしなくてはならない昨今。いや、もはやコロナという「悪友」とつるんで生活していかないかもしれない人類にとって、私は現在、まさに最適な生活をしていると思っている。

今や、オンライン授業の機材も着々と充実してきており、かなり柔軟に、それらを使いこなせている。iPadに標準装備されている機能と、有料ではあるが素晴らしいアプリを合体させれば、私の授業の質は、もっともっと限りなく上昇していく。私は、大教室を満員にする実力はなかった。周囲からの揚げ足とりや、悪質なバッシング。くだらぬゴシップを流され、今考えれば、無視してもいいような屁のような攻撃に耐えられなかった。ただ、「オンライン授業」であれば、話は全く異なってくる。今までの経験と、今までパソコンがなくてもiPadで作成していたプリント作成で得た経験。そんな無償の努力が、こんなにも思いもよらない形で、自分に跳ね返ってくるとは思わなかった。

クレジットカードを作れないボロボロのブラックリストに載ってしまっている私の経済的「信用情報」ではあるが、教え子からの信用があればそれでいい。カードがなければないで、無駄遣いをしなくていいと、発想を変えておけばそれでいい。キャッシュレスで財布とサヨナラする時代が到来しているけど、その波に乗るボードが無ければ、10年選手のレザークラフトマンが作った財布に年季を入れて、お洒落をしていこう。そのうち信用情報の傷が癒えて、いつか骨董品になった今の財布を、インテリアとして飾って置くことが目標である。

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