思考力

居抜きの槍

こう暑い日が続いてくると、毎日毎日がボーッとしているだけで、陽炎だか蜃気楼だかよく分からぬものに包まれてしまい、記憶のメモリーもどこへやら溶けてしまうかのようだ。だから、取り立てて何かを書きたくても、印象的なことなど思い浮かぶこともなく、こうやってキーボードを弾きながら、昨日の記憶を書き出すように追憶するばかり。思い出せる記憶といえば、ナマポの廃止の際に、保険証が手に届いていない状態で、医療費が実費だったので、領収書を持って病院へ行き、返金をしてもらったことくらいだ。

出来事といえば、その後に相変わらずロクな求人もない職安のパソコンを閲覧して、日用品の買い足しに行ったことくらい。刺激的なことなどとは無縁の昨日だった。こうなってくると、自分の感情は穏やかかといえば、決してそんなことはなく、昔の忌々しい記憶、特に千葉で最初に勤めた学習塾の無慈悲な扱いやアクシデントを思い出すばかり。そして、そんな出来事を受けていたときに言い返せなかった自分の心の弱さを痛感し、当時のトラウマの完全消去の術がないことに絶望する。「人をの呪わ穴二つ」という言葉や、因果応報、そして…、何か自分の怒りを鎮めてくれるような諺や格言を見つけることに必死になる。結局、一時の気休めにしかならないのだが。

契約書を書くことで引っ越しが完成するはずだったのに、契約書をかけずに白紙に戻ったことも、今回の気分の落ち込みに関係しているのかもしれない。気分が落ちたというよりも、また元に戻っただけなのであるが、緊張の風船があるとすれば、元に戻るときに精気までも抜けてしまったかのようで、また今住んでいるところでの生活が続くことになる。このアパートは気に入っているとはいえ、やはり自分を取り巻く環境には刺激があるわけではないので、ジリジリ刻みに減っていく人生の残りを考えると、何らかの糸口のような突破口を見出しにくい。

来週、主治医の助言をもとに、また人生の方向性の転換を考えてみようと思っている。無理に大きく変化させる必要もないと思うところだが、やはり何らかの動線に火をつけられるようなキッカケは見出していきたいと思う。

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