明け方には、膝の痛みで目が覚め、その膝は曲がらない。かといって、スケボーを辞めるわけでもなく、今日も南に向かって車を走らせていた。あえて南に向かったのは、道中にある、おじいさん一人で経営しているサーフショップがあり、そこに昨日見つけてしまった中古の板が気になって頭から離れなかったからだ。昨日同様、試乗OKだったのだが、地面を蹴った瞬間に膝に鋭痛が走り、そのまま板の上で動けず、まるで孫悟空が筋斗雲に乗っているような動きで、板の感触を確かめていた。
昨日は、下取りの板を条件に、九千円ということだったのだが、昨日来た客だと気づいていないようだったので、八千円で即決するということで、下取りの板を売ることもなく、昨日より千円安く板をゲットできてしまった。本当の金持ちというのは、物の価値同様、どこまで交渉をうまく成立させられるかという場面でも知恵を働かせているというので、今日のような棚ボタをゲットできた。昨日はさらに、チューナーレステレビ台が、半値以下の大感謝価格で売られていたので、この縁にも感謝して、今もYouTubeの「執筆用BGM」をかけ流しているテレビを、下で支えている。者の住所が決まり、空気清浄機と加湿器の場所を、部屋のセンターに配置できたので、今後もさらに快適な部屋で生活できる。もう、この部屋ごと購入したいと思えるほどだ。
今、玄関にお香を炊いた。運気の入り口にいい香りを漂わせるのは、開運風水の基本の「基」だ。そして、部屋半分の電気を消して、間接照明をつけた。部屋は半分、おやすみモード。何やら、部屋全体のアイテムひとつひとつが、生きているようだ。無駄がないというか、無駄だと判断された物が、処分されたので、必然的に必要な価値のあるものだけが残る。これが、断捨離や掃除の持つパワーなのだ。スケボーのパーツを入れ替えるときに、必ず5つ程度は迷子になるビスやナットも、整った部屋の中では、行方不明になることはなかった。こうやって、身辺も思考もクリアになっていくのだと思っている。
気づけば、明日は休日。毎日が日曜日状態の自分にとっては、あまりありがたくないどころか、海岸線全体がソワソワとして地味に混雑しているので、あまり歓迎すべき時ではない。とはいえ、わざわざ遠くから海へ遠征に来て街を活性化させてくれるビジターを、悪者扱いするのもよくなかろう。世の中、お互いが、持ちつ持たれつの関係でなければならない。ただ、このような優しい気持ちをつけ狙って、奪えるものを奪って去っていったり、こちらの資金が枯渇する寸前に、含み笑いをしながら捨て台詞を吐いて去って行った者もいた。もう、これだけは仕方のないことなのかもしれない。だから、今のように、自分以外の誰かに腹を立てる必要のない生活というのは、マッシーでありながら、ピースフルなのだと言える。
今日は、お菓子を一切口にしていない。これで眠れるのかかなり不安だし、眠剤からくる空腹感で、そのまま車の鍵を持って外へ出たら大変なことになる。でも、このような自分に対しての厳しさも大切にしておかなければ、なんでもありの無法地帯にもなってしまう。そして、こちらに対していまや遅しと失敗を狙って見定めている者に対して、最高の御馳走をしてしまうことにもなってしまう。自制心。この気持ちを、謙虚さと共に大切にできるように心がけていこう。