思考力

滑走路の長さ

仕事を完璧にこなす。これは、決して悪いことではない。むしろ、仕事に情熱をかけているのだから、大いに称賛されるべきだ。ただ、そのエネルギーが切れて、仕事に穴を空けてしまったり、途中降板してしまったら、それは無責任という最悪の状態へと変貌することになる。過去の私は、その繰り返し。そのことを履歴書に書き記し、その職歴の欄にボコボコと穴が空いていれば、どんな採用面接官であれ、そこを不審に思うのは明らかである。そう考えると、仕事においては、「情熱ファースト」よりも、「継続ファースト」という見方が、最も正しいということになる。

私も、気づけば40半ばとなり、人生を舐めていた節が否めない。カリスマ予備校講師に憧れど、それは儚い夢で終わり、今はナマポという状態。決して人生の負け組であるとは思ってはいないが、履歴書で弾かれてしまうと、自分の年齢と仕事継続をしてこなかったことからくる弱さを突かれたということに傷つくばかり。その結果が、今のナマポニート状態なのであるのだから、これは少々イタイものがある。ただ、少しだけ胸を張っていられるのは、こうやってブログで情報発信をできることや、曲がりなりにも、個人事業主としての第二の人生を歩んでいることだ。

今の時代、正社員であれ、終身雇用が約束されない時代。そう考えれば、今のナマポの状態で、じっくりと「個」で動けるだけの戦略を練れる大きなチャンスを掴んだとも言える。履歴書の穴を塞ぐことができるのは、もはや自分自身の「これから」の努力次第だ。目が覚めた時が朝という、なんとも恵まれた今の状態。これは、決して甘えているわけではない。今後の自分は、「継続ファースト」になるための滑走路にいることを示しているのだ。

こうやって、自分で淹れたブラックコーヒーをすすりながら、大福を食べながらブログを書く。この贅沢な時間こそが、やはり次の道へつながっているはずだ。幸い、私には、20年以上の塾講師経験があり、それは継続できている。これは、同じ分野で十分に手に職をつけたことと同じなのだ。同じ会社で勤めあげられなくとも、職種そのものは変化していない。それならば、やはり自分が走り出す滑走路は、比較的短いもので構わない。今のところ、FIREなど不可能にせよ、自分の積み上げてきた経験をもとに、これからの生き方を模索していこうではないか。

-思考力