思考力

月並みな美しさ

容姿に関する悩みは、あらゆる人にとって、大きな問題だ。雑誌やテレビCM、電車の中吊り広告など、いろいろな場所に、整形クリニックやエステサロン、美肌用化粧水の宣伝などが、四方八方に散りばめられている。このことからだけでも、人は、美を追究している。いや、この「追求」という表現は、私から観ると、あまり正しいとは思えず、いかに自分の外見のコンプレックスを「隠そう」としているかを考えているばかりだと思ってしまう。もちろん、よく言われる「外見より中身だ」という主張ひとつだけでは片付けられない大きくて複雑な問題も絡んでいると思うので、今回は、それを考えてみる。

私には、会った事はないが、心から尊敬しつつ、限りなく美しいと感じる女性がいる。それは、大方、芸能人やモデルだと思いきや、文字だけで感じる美しさを感じている女性である。しかも、そこの部分に異性としての強い想いを抱いてしまっている。私がアメブロを書いていた頃に見つけた「素人の詩人」だ。この人の内面的葛藤や、自分探しの文字の連なりは、とても深く、思わず我を忘れ、その表現に見入ってしまうほど。その圧倒的な深みのある文字たちの連なった表現模様は、かつてのドン底だった私を魅了した。今でも、アメブロでの詩の「創作」は継続されていて、相変わらずのこと、芸術的な詩が、ブログ中に散りばめられている。

では、内面的美しさのもうひとつとも言える、にじみ出る雰囲気を考えてみよう。一緒にいるだけで安心するというか、いつの間にか心を開いているような人。これは、従順な動物の優しさや愛らしさにも似ているのかもしれないが、声や身体の触感や眼の光り方だけとっても、優しさに美しさを感じる。これは、冒頭で書いたような、ルックスで自分の劣等感を隠そうとするのとは真逆で、自然と溢れ出てしまうものである。キャバクラなどで、酒が入った状態で受ける優しさというのは、オスの本能で本物だと思ってしまいつつ、結局、酒がオシッコとして流れ出て我に帰ってしまえば、偽りであった事に気づく。そう考えると、この内面的な美しさを見分けるのは、とても難しい。

短期的な投資と長期的な投資。今の日本の投資に対する考え方では、後者の考え方が一般的となりつつある。というか、今後の世界的な流れとして、投資をするというリスクを「リスク」とは考えず、コツコツとお金を積み立てていく方法でなければ、老後2,000万問題や、ますます目減りしていく年金の代替えの蓄えに対処する命綱だという視点の切り替えを行わなければならない。この投資という考え方に準じたとしても、やはり整形などのその場しのぎの美しさの追求というのは、破綻することのリスクが大きく、内面を磨いていく美の追求というのは、複利的に伸びていくと考えをすり替えることもできる。

YouTubeのサムネネイル画像やタイトルには、初心者が一日でマスターできるような魔法の方法論があるように誘惑する謳い文句が多くあるが、人との付き合い方や、何かのトリックの身につけ方、あるいはゼロからのスタートからの出発には、長い習慣的なスタンスをじっくりと身につけなければならない。それと同じく、真の美しさを手に入れるためには、日々の行動そのものを美しくしていかなければならない。月並みな結論になってしまったが、その理由は、この記事の中に記述してある。それをもとに、自分でも日々の行動を見直していきたいと思う。

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