自分磨き。これは、誰しもが日常生活で意識していなければならないことであろうが、日々の仕事や生活に追われて、なかなか実践できないことでもある。副業でいえば、勇んでブログやYouTube、せどりやインスタを始めたものの、全くもって三日坊主。戦意喪失となる場合がほとんどだ。ただ、これは本人の意志の問題ばかりではなく、環境的要因によるものも極めて高い。なぜなら、人間は環境によって大きく変化する生き物だから。
では、どうすれば「環境」を具体的に変えられるのだろうか。例えば、断捨離をしてミニマリストとなり、小さな部屋で慎ましやかに生活する。これは、一番お手軽にできる積極的な行動である。このような生活が、じわりじわりとアメリカで流行しだし、今や、ポツポツと日本にも飛び火してきている。アメリカの流れの約3年後あたりに、日本でブームが起こるという流れは、「断捨離ミニマリスト」という生き方において、今回も変わらなように思われる。
私も、断捨離とミニマリストを実践した一人ではあるが、やはり、身も心も固定費も軽くなった。ここまで気持ちが楽になると、趣味は「引越し」になってしまいそうだ。少なくとも持ち家を買うという発想は、このような渡り鳥的発想によて、木っ端微塵に消えた。モノで心が支配される生活というのは、非常に窮屈でありつつ、実は、今日からでも改善できることでもある。端的にいえば、特に「トイレ」や「キッチン」などの水回りを整理することから始め、徐々にモノを捨てることに前向きになれば良いだけの話だ。
ただ、このような改善を全く簡単だと言い切るのは、なかなか苦痛が伴うことは事実であり、心理学的にいえば「損失回避」の考え方に、認知が働いてしまうもの。ただ、とっ散らかった自分の部屋に心が消耗していると感じているなら、思い切って「捨てる」という行為を積極的に取り入れなければならない。冒頭の「自分磨き」をするのと同様、磨くモノは少なければ手間が少なくなり、実に簡単になる。とてもシンプルな結論に落ち着くわけだ。このような単純明快なことを思い切って実践できないと、他の悩みまで渦を巻いて、人生がしんどくなってしまう。これは、間違いない。
もはや現代人にモノは必要ない。心豊かに生きるためには、相手に対する「見栄」という盾を捨て、共にシェアするという「体験」を手に入れるべきだ。断捨離をして、自分の買い物に対しての考えを整理していくと、人生で決してやってはいけないこととして、”TOP3”に入ることが、見栄を張ることだとわかる。広い視野で考えると、人生に成功するか否か。これは、とても大きくて、漠然とした問題である。ただ、人生においてやるべき具体的で細やかなことは、自分の身の回りを整理して、すっきりした気持ちと整った部屋の中で眠りに入れることなのかも知れない。