思考力

釣り人トライアングル

昨日の興奮冷め止まぬまま、夕方にブログを書き上げて、すぐに車を走らせて「釣具屋」へ行き、スタッフを一人ガッチリと確保しつつ、昨日の「爆釣ポイント」での仕掛けを、共に考えてもらう。最終的に支払った金額が2000円に満たない客が、細かな仕掛けを次々と質問してくるのだから、店員にとっては、閉店時間ギリギリの迷惑極まりない客だったに違いない。その後は、釣具のメンテナンスと、リュックに入れる必要な仕掛けの分類、昨日の釣りの反省点と今後の改善点を「動画」で研究する。今まで、子供騙しだとタカを括っていた「サビキ釣り」にも、やはり奥が深いものがあり、動画に見入っていた。

もちろん、翌日の今日、すぐに再出発できるように、車には釣り場で食べる菓子パンとペットボトルのお茶まで入れていた。ここまでテンションが上がってしまえば、もう睡眠どころの騒ぎではない。全く眠れない。眠らずに行くべきだったが、寝る前の薬をしっかりと飲んでいたので、そのまま眠らなければ、大事故を起こしてしまう。昔のトラウマが蘇ってしまうので、とにかく眠ることに専念したかった。しかし、そんなに単純な構造をしていない私の脳ミソは繊細であり、夜のゆったりジャズを聴きながらなむりに落ちようとしても、釣りの魔力が再熱してしまった私をリラックスできる音楽は、ただの雑音でしかなかった。

Te Arai Point, North Island, New Zealand.

何かに没頭することは構わないのだが、それにハマり込み、ひとつの対象の「信者」になってしまうと、話がややこしくなってしまう。世の中は、トライアングルで考えると、結構うまく解説できるものであり、私の授業で扱う「三角ロジック」では、「主張」「データ」「論拠」のバランスを整えることで、文章の構成を大きく捉えるようにしている。それと同じように、株の世界でも、「収入・費用・利益」「時価総額・資産負債・純資産」、牛丼店であっても、「早い・美味い・安い」などのように考えるとバランスの良い考えのフレームワークが完成するのだ。だから、何かに対して夢中になっているときには、もう一人の冷静な自分から見て、今の熱が「本物」なのか「ニセモノ」なのかを正確に判断する必要がある。

かつての予備校の世界では、「〇〇先生の信者」という言葉が流布していたが、そんな言葉がヒソヒソヒッソリと知れ渡って、わけのわからぬ対立が起こり、本来の大学受験へ向けての熱意が外れてしまい、勉強とは全く関係のない派閥のようなグループが出来上がっていた。さっさと勉強に打ち込めばいいのだろうが、やはり、自分が信じている講師の悪口というのモノは、自分への批判のような発言に聴こえてしまうようで、それがまた講師間の派閥にも発展し、予備校講師間の足の引っ張り合いの火に「アブラ」が注がれていくのだ。まぁ、そんな汚らしい世界に嫌気がさして、多くの有能な講師は、業界をさっていき、私もそのような講師の一人だ。

人間の欲望には際限がない。自分より高価な時計や車を持っている人がいれば、さらに高価なモノが欲しくなり、自分よりイケてる恋人と付き合ってい流人がいれば、それを妬むようなヒトまでいる。人間の見栄っ張りな側面にある価値観が、そのような「欲望」のリミッターを解除してしまうのだろう。ただ、このようなモノサシが、時代の変化によって壊れかけている。物的欲求を制圧するがことく、精神的ゆとりを求める動きが強い流れになりつつある。これに未だ気づかず、今だに金額を物差しにしているような人が「情弱」のレッテルを貼られてしまう。本当の富裕層が、次々と物的欲求を捨て、精神的なゆとりを整えるために、生き方を自分の心の安定に重きを置くようになった。「ベンツ」に乗ることよりも「ベンチ」に腰掛ける時間を求め、「残業」を美徳とするよりも「定時」に帰宅する生産性を優先し、「美食」よりも「断食」に目を向ける時代になったのだ。

好きなものを好きなだけ食べられる消費をするのではなく、危険な食材を避ける知識を身につけ、できるだけ余分なカロリーを身につけないようにする術を求めるようになった。自分の時間を食い尽くすような仕事を強いてくるような企業とはサヨナラし、個人で生きていける生産性を高められる思考法に考え方を変化させることが大切な時代になったのだ。与えられたタスクを黙々とこなしていれば手に入る安定が消滅し、公務員の安定すら保証できない時代。預金通帳の残高よりも、SNSのフォロワーの方が価値が高くなる時代が到来する未来が到達しつつある。

Like Us, Follow Us and Join Us text on color notes and office supplies on black background. Concept of social media marketing and management.

経済的自立や“FIRE”を求め、仕組み構築型ビジネスや不労所得を真剣に考えることが、これからの時代の主流となることは間違いない。ヘトヘトになって、やっと手に入れた有給休暇に釣り糸を垂らす人と、有り余る時間の中で釣り糸を垂らす人。この二極化がどんどん進んでいく。この事実をしっかりと認識していなければ、AIという三番目の頂点の重きが強くなり、どんどん歪な三角形になっていくことに目をそらし続けることになってしまうのだ。

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