思考力

人形波乗者

そもそも、人は何故「健康」を求めるのか。ある人にとって、タバコを吸って、酒を飲んで、食べたいだけ食べていれば、十分幸せを感じるわけで、必ずしも「健康」を追い求めるがあまり、生活全体が規制されたり抑制されたりして、不自由になる必要もない。不自由な生活にイライラするくらいなら、いっそのこと、健康になるための努力などしなくても、そのまま一般的に甲斐があると言われているような嗜好品に頼って生きていくのも悪くない。ただ、まさに「健康ブーム」と言われている昨今、喫煙はもちろんのこと、1日三食でさえもが推奨されなくなってきており、挙げ句の果てには、たとえ少量のアルコールであってさえも、「健康」を害すると言われる世の中になった。

ここ数日の寝起きの悪さとは違い、今日は、6時前にスッキリと目覚め、朝カフェBGMを流し、多くの会社員が鬱屈として目覚めなければならないであろう「月曜の朝」に、幸せに目を覚ますというのは、それだけで一層幸せ度合いが増す。先述した「健康」を得るための主軸となる「睡眠」の質を高める研究も、日々開拓されており、「鼻」が弊害で眠りが浅くなっているという研究結果も出ている。蓄膿症と花粉症とダストアレルギーの私。しかも、4人で2泊3日でサーフィンに行くと、必ず寝言を言っていて、ひどい時には綺麗な発音で「英語の歌」を唄っていたという私。私の健康改善の鍵となるのは、やはり良質な睡眠に他ならないと言える。

健康になるということは、幸せを手に入れるということにも等しく、「飲酒・喫煙・過食」が、一時的なシアワセであることとは全く別物。本当の健康というのは、生活習慣そのものを改善させることであり、数ヶ月単位のスパンで、現状の自分の体調を改善することである。だから、集中力や記憶力、勉強や仕事の生産性などは、たった一回のヒーリングミュージックを聴いて効果が出て改善されるものではない。「何をやっても仕事が報われない」「努力しているのに全くモテない」という人のほとんどは、短期的な努力をしているだけのケースがほとんど。そのような人たちは、あざといニンゲンが近づいてきて、短期的な努力で莫大な富を得られるという誇大広告を鵜呑みにして、まんまと搾取の対象となるばかりだ。

成果を出す人の努力は、長期間にわたって落ちてくる自然の水にさらされ、角が尖った石が徐々に丸くなっていくかの如く、長い間、着実に積み重ねられた習慣を基盤とした「緩さ」がある。語らずとも伝わる「沈黙は金」という言葉がふさわしい、静かな海のような「深み」があるとも言い換えできる。そこに「ペテン師」が付け入る隙などない。刹那的な快楽や、一時的な感情の高ぶりの中に成功があるなど微塵も思わず、目の前に現れた対象が、今まで求めていた目標なのか、一時的な流行の産物なのかという価値を見分ける眼力を兼ね備えている。

人生の質を高め、自分自身の向上と心の器を広げる正しい生き方とは。目指すべき成功を獲得するためにしなければならないタスクとは。今よりもっと生産性を高められるために取り入れるべき健康的な生活習慣とは。自分に向けて発せられた言葉が、相手からの批判なのか、悪口なのか、心からのアドバイスなのか。自分にとっての最悪な状況に陥る前に、絶対にやってはいけないこととは。そのような臨機応変に、自分の生き方を時代に順応させられる能力の養成こそが、優れた人間だと言える。

昔、波が全くない海を「リカちゃんチューブ」と皮肉まじりに表現していたオモシロイ人がいた。波打ち際で、パシャンと割れるだけの小々波も、リカちゃん人形ならば、ビッグウェーブに感じる大きさだ。そんな皮肉が、今や現実の世界となったようだ。昨日の誕生日のブログで、「フォイルサーフィン用ボード」が、欲しいと冗談まじりに書いたのだが、サーファーが見向きもしい小々波であっても、そのボードの特性を利用すれば、物理的構造上、プアな波であっても、永遠に波に乗り続けることができてしまう。まさに、サーフィン界の最前線の魔法の絨毯だ。世界のプロサーファーも、こぞってそんな魔法の絨毯の虜になっている。

さて、あと4日後には、新しい年度の始まりだ。そこで大いに稼がせてもらい、今はまだ一般人にとっては手の届かない高価な「フォイルサーフボード 」を手に入れられるくらいの、金銭的・健康的余裕のある生活を目指していこうではないか。

 

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