思考力

選曲された曲のヒストリー

何やら不思議なJAZZが、オススメ動画に出てきた。「Hip-Hop -Jazz 癒しBGM」。AIのオススメは、果たして私の今の筆の進め方を、良い方へ流してくれるのか、試しにクリックしてみた。微妙に聴こえる雨の音に、音楽に関しては、からきし無知な私が聴き分けられない、不明の楽器がリズムをとっている。本当に、何の楽器なのだか判らぬが、私の耳には不明瞭な楽器の音調ゆえに、聴いていて落ち着かない。それが、何やら、脳の片隅にピリピリ響くような雑音に感じてしまい、不愉快と言えばそうなのだが、ここまで書いたので、今回のBGMは、この得体の知れない「Hip -Hop -Jazz」なる曲でいこうと思う。

同じリズムで進んでいた演奏が、今、全く違う音程に変わった。曲そのものが変化したみたいだ。やはり、何だか落ち着かない。ただ、“JAZZ”というのは、その場の雰囲気によって変えられるものでもあり、BARのマスターが、その時の店内の空気を察知して、ケースバイケースでレコードを変えるような、いわば「DJ」のようなポジションで選曲する。だから、通り一辺倒な曲が流れているだけの店は、シチュエーションと時間が変化していないという、ただの「退屈な空間」である。自分が、東京の実家で入り浸っていた、ゴキブリが這うような、今考えると「無駄金」を垂れ流しにしていたBAR。当時は、そここそが自分の秘密基地局だと思い込んでいたが、今考えると、酔っ払いが知ったような人生論を口とともに吐き出しているような無意味な空間であり、時間という大切な資産をも浪費していただけだった。ただ、流れていた音楽には、少しだけ「こだわり」があるようだった。

話は、ややズレてくるが、今日は意を決して「水虫検査」に行った。千葉で初めて治療したのは、他ならぬ「水虫」。東京でも、何度か経験している症状が出ていたので、やはり「またか」という痒み。案の定、足の指の境目に、カユカユのカビが検出された。コイツとの戦いは、毎回長期戦に渡るのだが、かつては、水虫を完治させたらノーベル賞物くらいの不治の病に近かった時代もあったようなので、現在、完治する時代に生きている幸運な私は、とにかく治療を続けつつ、再発防止に努めなければならない。

最近、本当によく思うことなのであるが、水虫のように、かつては難病ともいうべき身近な感染症であっても、今や適切な治療さえあれば、手軽に完治させられる。すると、現在猛威を振るっている「新型コロナウィルス」という恐怖の感染症であっても、いつの日か、現在でいう水虫程度の危険度になるのだろうか。いや、これほどの速度で変化しているスピードの中、医学の進歩も目覚ましい状態で、コロ助の感染力を弱め、すぐに撃退できる薬ができるのも時間の問題だ。早く、時間が過ぎるのを待つだけだ。

抗生物質の投与が危険視されて久しい。やたらめったら腸内にいる菌を破壊していけば、良性の菌まで根こそぎ破壊してしまう。だから、飲んでハッピーとなる抗生物質よりも、完治まで時間がかかり、苦しい症状が続くとはいえ、身体の免疫機能の活性化による「治癒力」に期待した方がいい。そもそも、太古の昔に、ケミカルな薬など無かったわけで、長い人類の歴史から見れば、今の治療法などというのは、ほとんど「人体実験」。治験にされたくないのであれば、心と体を老化から守り、古代太古から引き継がれている「自然食材」を摂取して、自然に治癒することを待つ方がいい。絶対に覚えておきたい「健康法」というのは、やはり、自分の免疫機能性で治せる範囲の予防だ。攻撃は最大の防御ではなく、予防は、最強の戦い方なのだ。

crowd of walking digital people. The concept of the symbiosis of man and technology. Computer integration in humans. 3d rendering

健康寿命が伸びてくれば、やはり、その世代ごとの質問の種類も、必然的に変化する。新卒の会社員が先輩に聞きたい質問と、その先輩が高齢者から受ける質問というのは、全く異質な物だ。前者であれば、最新のパソコンのレビューであったり、無名のサラリーマンが、短期間で富を得た方法であったり。後者であれば、やはり、健康であったり、今後の年金の切り崩し方であったり。そのように考えると、その場その場のシチュエーションに、臨機応変に対応できる人は、今も昔も、極めて希少性の高い人材といえる。

では、冒頭の“Hip -Hop -Jazz”に繋げてみる。やはり、どんな人物であれ、その時のムードに合わせて、相手に話をさせて、聞き役に回れる人は、とても大切にされ、頼りにされるものだ。ヒッソリと店を開いている、知る人ぞ知るBARで、寡黙なバーテンダーが、皿とコップを拭きながら、ゲストの重い口が開くのを待てるスキル。その「待ち」の姿勢が、一流バーテンダーの腕の見せ所であり、どうしてもそこには、その場に応じた“ミュージック”が必要なのだ。全く意識しておらずとも、一度でも、その選曲された曲の“ヒストリー”を訊いてみると良い。バーテンの眼がキラリと光り、さっきまでの緊張感が解けたとしたら、その店の常連になれるかもしれない。

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