思考力

自分という老害を回避する

 

他人を許せる人間になるということ。これが、どれだけ難しいことなのかを痛感する。心を落ち着かせる癒しの音楽を聞きながら眠りに入る時でも、何のBGMもかけずに車を運転している時でも、やはり許せない人間の顔の輪郭までもがはっきり思い出せてしまい、そのことがアタマから離れず、心が難破船の上にいるかのように不安定となってしまう。どんな仕事でも、スピードが命ということもあり、そんなスピードを爆上げして、愚か者のことを忘れるくらい多忙を極めれば、雑念も弱くなるのかもしれない。

ただ、人生がうまくいっている人の特徴のような、激務で長時間働くことでは得られない、シンプルで良質な休息を得られるような「ゆとり」が不可欠となる。ただ、動くのは、早ければいいと分かっていても、なかなか瞬時に動くというのは難しいことだが、それは服をシンプルにするというような具合で、考え方を明解な状態へ方向を変えるだけで得られるのかもしれない。忘れるために仕事をし、人生に麻酔をかけて、さらに心が炎上してボロボロになるよりも、ミニマリスト的に、家事に手間をかけないでいい方法を考えることだけでも、人生の時短になろう。

今の若者、いわゆる「Z世代」というのは、とにかくお金をかけずにシンプルな行動をする。つまり、ミニマリスト的に無駄をすることを拒む。生活そのものだって簡素化されるわけであり、朝は、椅子に座っているだけで、ハムエッグにパンなのか、納豆に味噌汁なのかをAIが判断し、機械が飯を作ってくれるような時代がすぐそこまで来ている。ビジネスパーソンとしてやるべきは、Z世代の心をいかにして掴むかということであり、ただの老害になることは許されないのだ。

だから、このような世代のニーズに合わせた戦略を中心に、ビジネスモデルを変えていくことは非常に大切である。このような問題というか課題に、すぐに取り掛かるか否かということも時代の波に乗れるかどうかの狭間に立っていることと同じだ。振り落とされたくなければ、Z世代のニーズを、常に意識しておかなければならない。100円ショップで揃えたグッヅだけで、どれだけ高い報酬を得るか。投資でコツコツとではあるが、お金に働いてもらえるかどうか。そのような価値観のインフラを考えてあげることが、最も重要なのではないだろうか。

少なくとも私は、X世代とY世代のギリギリの境目に立ちながら、いかにしてZ世代と向き合っていかなければならないかを考えようと思っている。

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