思考力

知恵の輪プライド

 

今日は、ほぼ皆既月食が見られるようだ。やがて、週明けには「荒天に注意」という予報が出ている。こうなってくると、一気に季節が冬になり、私の苦手とする季節が到来する。冬は、外気に対して皮膚が硬直し、さらに日照時間が短くなるので、毎年どこかの場面で決まって鬱状態に陥る。各地で起こっている無差別殺人などをできるような「心のヨユー」などは微塵も起こることはなく、「自分の命」を守る以外なくなる。近年では、そこまで深い鬱を経験してはいないが、まだ若い頃の一時期の「冬季うつ病」は、あまりにも自分には苦しく、今思い返してもゾッとする。

秋の夜長。現在、朝の4時を少し回ったところ。特に早朝覚醒と言うわけでもないが、最近の睡眠の具合は芳しくない。深い睡眠が得られないのだ。かつては、よく、ビジネスパーソンが、多忙な自分の睡眠時間の少なさを自慢しているような光景もあったが、今や、優秀なビジネスパーソンであるほど、睡眠を大事にする傾向がある。だから、睡眠不足や睡眠に不満を抱える者というのは、三流の人なのだろうか。いや、これもまた違う。もし不眠を抱える人が劣っているのであれば、私を含む世界中にいる不眠症患者は、仕事ができない人となってしまう。だから、そのモノサシは、満更正しいとは言えない。

何かの信念に基づいて、強いこだわりを持つ。良くも悪くも、自分の中の基準を持つ。例えば、ビーガンであることに信念を持っている人がいるとしよう。そんな人でも、何かに固執するかのような気持ちで、ビーガンを続け、身も心もボロボロになってしまうのは、いかがなものだろうか。それは単に、自分の健康のために老化する習慣を身につけようとしているものだ。完全なる逆説的行為。こうやって、自分の中に秘めているモノサシが、単なる「やせ我慢」に過ぎないのであれば、そんなモノサシは、とっとと断捨離しなければならない。あくまでも、自分の中で持つべきこだわりというのは、自分の存在価値を高めるものでなければならないからだ。

凝り固まって曲がったままの執着心を手放し、自分のスキルを高める方法を学ぶ。それを繰り返すことで、自分のステータスが上がっていくのであれば、そのこだわりは特に大切にした方がいい。こだわりがマネタイズに直結するのであれば、それは「職人」や「超一流の人」としての生き方の道が開ているのだから、考え方の中にある無駄な贅肉部分は、削ぎ落とすべきである。ただ、曲がったプライドであっても、持たないよりはいい。最悪なことは、何も考えずに、周囲の環境に流されるままに生きることなのだから。

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