思考力

専念するために取り損ねたもの

 

塾や予備校の講師を職業にしていた私が、やりたくない職業TOP3に入る職業が「学校教員」だ。朝は、生徒が登校する前に出勤し、朝の部活や朝学習の指導のあとの朝礼では、教頭や校長の小言を聞き、やっとメインの授業が始まる。1日は平等に24時間であるのだから、多忙な勤務時間を考えれば、授業の予習は自宅で行うことも多いはず。その授業をスムーズに進めるために配る授業プリントを用意して、不登校から復帰したものの授業に出ていなかった生徒のレベルと、やる気がない生徒、それとは逆に、学力が高くて意欲的な生徒を相手に授業を進めなければならない。小テストの成績を管理し、生徒の精神的な悩みを把握しつつ、放課後は部活の顧問で、生徒の安全に配慮しながら、強制休日出勤となる次の試合に向けて練習を見守る。その後は、その日の出来事をまとめて、校舎に生徒が残っていないか確認して家路に帰る。

思いつくまま大雑把に、一日の流れを列挙してみたが、余りにも過酷。企業ではない組織だから、この労働状態を改善するために叫び声をあげるとしたら、その受け入れ先は一体どこになるのだろうか。仮に、自分のクラスでイジメが発生して「もしも」のことがあったら、その教員に対してのバッシングは強烈であり、その後の転職先もなくなることになるはずだ。

教えることのみに専念し、授業だけで勝負したかったので、嫌でも生徒募集に命がけにならざるを得ない「塾の正社員」になることはせず、非常勤講師として勤めてきた。だから、私から言わせれば、授業で勝負など言っていられない上記の悲惨で残酷な環境に身を置く選択肢など、人生から外へ抜き出していた。これは、大学生の頃から考えていたことなので、英語講師という立場でありながら、私は「教員免許」を取得していない。ただ、これに関しては、かなり後悔している。

何も、教員免許というのは、学校の教員になるばかりの資格免許ではなかった。職安に行って、職種の検索で「教育関係」を検索すると、私がやりたくない仕事TOP3にノミネートした前述の職業の免許が、採用基準の必須条件となっている場合が多い。具体的には、学校に登校することが困難になった若者に勉強を教える仕事や、芸能人のタマゴたちが、多忙なスケジュールの合間に登校できるカリキュラムを組んだ特殊な学校の非常勤講師、はたまた心理カウンセラーに近い専門的な仕事であっても、やはり「教員免許」が必要となっているケースが多い。今から「それ」を取得しようとすれば、一時的に大学に入学して、大学に足を運んで通いながら授業に参加をし、必修単位を取ったあとに、教育実習まで通過しなければならないなど、時間的にも厳しい条件となる。やはり、時間的ゆとりがある大学在学中に、教員免許を取っておくべきだった。

私は「DTP2級」という資格を持っている。ネーミングの由来は“Desk Top Publishing”の頭文字を取ったもの。文章を書いたり、画像を配置して作品を作ることが好きで、年賀状の季節が近づくとワクワクする。このサイトのデザインも、完成形をイメージしながら構築し、装飾を工夫して作成することは楽しくて仕方がない。没頭しすぎて、ブログを書く時間がなくなることもある。大学時代に、インターネットとパソコンが徐々に普及し始めたときに、パソコンの電源の入れ方すらわからなかったので、スクールに通って学習していたときに取得したデザインの資格が“DTP”という資格。ただ、この資格の存在を知っている人は皆無に等しく、履歴書の取得免許の欄に記載すると、必ずこの資格について尋ねられる。だから、得したことといえば、面接の話のネタが増えるということぐらいだ。別に、この資格が必須の職業などは、私の知る限りではゼロ。これからも同様だと思われるし、この資格は有効期限がないはずだが、資格そのものの存在が消滅しているのではなかろうか。その資格の取得証明書なんて、さんざん断捨離しても出てこなかったので、どこで再発行すればいいのだろう。入手できたら額縁を買って飾っておきたいものだ。

 

この資格に対して容赦無く皮肉を込めて書いたが、パソコンでデザインする免許取得のために努力したことで得られた能力が活きていることも確かだ。このサイト作成や、YouTubeの編集、最近では広告収入のバナーの位置のバランスを考えるときに“HTML”を操作するときに効果がある。完全に損をしたわけでもない。

そもそも「資格取得」に向けて努力するメリットは、2つあると私は考えている。まず、取得していればできるようになる資格。その代表となるのが、運転免許証。これ無しに運転することは、法律で禁止されているわけだから、運転するためには必要不可欠である。医者として診察するためにも、弁護士として法廷で争うためにも同様。次に挙げられる免許取得の利点は、その取得に至るまでのプロセスで得られた知識やスキルである。例えば、英語の資格検定の学習をしていて、残念な結果になったとしても、その努力の過程で英語力が上がったのであれば、十分に価値があると言える。また、私が注目している資格の「簿記」や「FP」の資格などは、やはり学習過程の中で得られる会計知識、金融リテラシー、税金のシステムを理解するにはうってつけの資格だと言える。個人事業主である私は、いち早くこの資格試験の対策をしなければならないと思っている。

今は、通学せずに学習ができるチャンスがいくらでもある。語学学習でも、月額課金でカリスマ講師の授業が受け放題だったり、受験科目のYouTube動画を無料で視聴することができる。別の記事でも書いたが、オンラインで「大学卒業」の資格を取ることだってできる時代となった。昔では、考えられないほど素晴らしい学習環境が整っている。お金も時間もかからず、通塾などの時間や労力の大幅な削減にもつながっている。もちろん、見栄を張ったり、履歴書の欄を埋めるために取得する資格なら無駄だが、努力するプロセスの中で得られることが多い資格なら、隙間時間などを活用して、積極的に利用すべきだ。

 

今、オンラインスクールのニーズは、どんどん高まっており、無料体験や充実したサポート体制での個別質問対応、しっかりとした教材や模擬試験なども用意されている。今後の人生を効率的にするために、また人生の選択肢を増やすために、資格を取得することを強くお勧めしたい。

 

オンラインで資格取得できるスクールのサイトURLのリンクを貼っておきます

LECオンライン(東京リーガルマインド)

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