思考力

どちらの質を高めるのか

昨日で、契約していた東京の塾のオンラインの授業が全て終了した。この約一年程度で、色々と学ぶべきことが多かったし、実際に多くの体験ができた。一番勉強になったのは、事業に投資する機材を張り切って先行投資し過ぎてはいけないということだ。まだ、売り上げが確定していない状況で、電子黒板やモニターを購入し、授業の質を上げようとしたが、それは完全に順番が逆であった。まずは、授業をとことん行い、それで足りなかった物を、徐々に買い揃えるという流れで設備投資をしなければならなかった。

振り返ると、この一年で得た収入と、自己負担となる機材を導入した金額が、大体同じという結果に落ち着いてしまった。これは、確かに少しは憂うことかもしれないが、やはり凝り性の自分。それだけ夢中になれる仕事に対する情熱の表れだと思っている。「情熱こそ才能」という論理が成立するのであれば、才能のある人間であるなら、情熱を注ぎやすい生き方になるという逆転の発想もできる。そんな時に思うことは、やはり、この仕事は、私にとって適職なのだとおもってしまう。

例えば、今、他の仕事がないか検討中で、職安に行って、最低でも週に二回は就職活動をしているが、どれもしっくりくる職業がない。かつて、印刷会社で右から左へ流れ作業をしているときの退屈さの苦痛を考えれば、設備投資に多額の投資が必要なオンライン講師の方がよっぽど良い。後者に費やした機材導入費用は、今後の仕事への先行自己投資だと考えられれば、さほどのダメージはなかったのだと考えるべきだ。そして、揃えた機材が、今後の人生を明るくしてくれるように願うべきである。

情熱を注げるタスクに対して、夢中になって完成を目指すことが、どれほど大切か。最近では、生活を守るために、「好きを仕事にしてはいけない」なんていうクールな意見もあるが、特に「先生」と呼ばれる職業に関しては、それは通用しない。信頼され、求められているクオリティーが高いはずだから。もし、お金だけを追求するのであれば、とっとと他の職業に転職しなければならない。関わっている人に迷惑だ。そして、他ならぬ自分のフィールドを汚しかねないのである。プライドと責任を持って、自分は塾講師のポジションに居続けたいと思っている。

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