思考力

【弁証法】 3waysに集中

千葉に引越して最初の中古車を購入した時、販売担当者の最後の解説がとても面白くて印象的だった。車の運転を数年間していなかった私にとって、とても安心感を与えてくれたフレーズである。

「まず車と仲良くなってください。車の運転は、走る曲がる止まるです。これに気をつけるだけでいいです。あと、車と仲良くなってください。車は、ギアをパーキングに入れてサイドブレーキをかけていれば、エンジンがかかっている状態であっても絶対に動くことはありません。ですから、絶対に動かない状態の車でいろいろなボタンを押したり、シートを倒したり調整したりしてください。それだけを意識していれば、新しい車の運転にすぐに慣れることができます」。この説明が私にどのように心の安定を与え、この説明がどうして強いのかを考察していこう。

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最初に、自分の言いたいことを述べる。テーマの提示だ。そして、車の特性を3つ列挙している。そして、これ以上に気をつけるところはないという範囲を予め伝えておくことで、受け手の集中すべき点を明確にしている。そして「車と仲良くなる」という独特の比喩的な表現を遣うことで、聞き手の興味を誘い、強いインパクトを与える。さらに、ギアの位置とサイドブレーキの有効性を確認した状態を作り上げることで、車と仲良くなるための手段が100%確立できることを確信させ、最終的な結論部分である「新しい車に慣れる」ための説得力が、私の心の安定につながっているのだ。車の点検の際、その店に行った際、その担当者が商談成立後の説明として購入者に全く同じ解説をして、購入者は大いに安心していた。

文章、対話、スピーチ、プレゼン、ディスカッション。相手に自分の意見を伝えたいときには、自分の主張を進めやすいフレームワークを作っておくことが大切で、最初に結論を述べるということが基本となる。私が大学生のときに自分の意見を発表したときに、私のスピーチに対してのアメリカのネイティブスピーカーの評価は非受に高かった。それに対して、私のスピーチ後の学生のスピーチの反応は非常に辛口であり、“What are you talking about? Go back to Japan !”と厳しく叱咤されていた。そもそもの話、日本でスピーチをしているのに「日本へ帰れ!」と言われるのだから、アメリカンジョークなのか、「そのまま日本の空気を読め文化に染まっていろ」という教示なのか分からぬが、少なくとも海外の聞き手にとって、結論から先に述べない発言者の意見などには耳を貸さないようだ。“My name is ...”“It’s fine today.”など、全くもって時間の無駄と判断され、容赦なくその先のスピーチ内容など“No way”なのだ。“How are you ?”に対して“I’m fine.”と答えるよう日本では教えられ、自社理念の刷り込みかの如く、毎時間毎時間お経を唱えさせる。そもそも英語圏のネイティブにとって、日本のその叩き込まれたお経は全く意味をなさず、いきなり「私は陽気な性格です」と自己紹介されたのだと認識され、前述の論理で考えれば、以後の主張がいくら明確であっても聞いてすらもらえず、“Go back to Japan !”という怒りの返答が返ってくる。私の必殺技は、あえて“Too bad....”というのだ。相手は身を乗り出させて“Why !?”と聞いてくる。このテクニックを生徒に教え、英検2次対策のシュミレーションをしてみると“アイアム〇〇....”になるという元の木網になる。pastedGraphic_1.png

 

外国人は、第一印象を非常に重視していおり、日常生活であってもその日の相手の気分の様子をとても興味を持っている。“How are you ?””Pretty good !”“Great !”で相手は最高の気分で会話を進めることができる。日本では“pretty”を「かわいい」という訳で丸暗記させて定期テストや小テストで2点ゲットなのだろうが、日常英会話で「かわいい良い???」で万事終了という日本の実用英語化対策が、無駄の権化であることが明るみに出てしまう。

詰まるところ、最初に自分の言いたいことを伝え、具体例を列挙し、自分の主張を明確にするというフレームワークを常に意識しておくと大変便利だ。これは「弁証法」という考え方にも通じることであり、後々YouTube動画でもアップロードしようと思っている。ご期待あれ。

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