思考力

複雑な水の流れから得る

今や昔となるのであろうが、私が、受験生としての任務を果たし、晴れて大学生になったあと、私の「母予備校」に、入れ違いで超大物予備校講師が入ってきた。今でも、その講師は某予備校の大物カリスマ講師として、テレビCMでも見かける講師であり、私は大学を卒業してからも、母予備校に通うほどの「予備校マニア」だったので、ウワサの先生の授業を受けたのは、大卒後だった。

先生は「パラグラフリーディング」という読解方法を引っ提げ、その予備校の精読主義の大物講師と「ドンパチ」言い争いをしていたという逸話がある。今の先生は、受験において「基礎の重要性」を説き、地味な努力こそが英語力向上の要であるおっしゃっている。

今、溢れんばかりの情報処理に悪戦苦闘している私が、ドンパチしていた頃の先生の著者に書かれていたことを再考してみると、なんとも現代には欠かせない読書法が書かれていることに気づく。先生の読書法は「入試問題」を読解するには、少々乱暴であったのだろうが、現代の情報てんこ盛りの時代を予見した内容ではなかろうか。しんみりと思いにふける。

pastedGraphic_1.png解き放ち見えた風景

“スキミング⇨スキャニング⇨アンティシペーション⇨リーゾニング”という順番で読解していくのだが、まず選択肢を精査し、次に各段落の一行目のみを精読。そして全体像を把握した後に、理由づけをしてから解答を出すという読解。さすがに、先生のやり方を凡人である私が入試問題で「実践・解説」することはできないので、私の入試問題の解き方である「選択肢の先読みは邪道」という40代になって切り替えた読解方法で、生涯、私は授業をすることになりそうだ。

では、一般の解説書(小説等のストーリー性があるものは除く)を読解するときに、私が「銃弾爆撃」のように読んでいくかというと、それまた話は別になる。先生が授業中によくおっしゃっていた「給食とおでん文化」の話のように、出された物を全て食べるのではなく、好きな物を好きなだけ食べるという「つまみ食い」で読んでいく方が遥かに賢い。これまた先生がおっしゃっていたのだが、効果的な読解方法として「表紙⇨目次⇨はしがき⇨あとがき⇨筆者のプロフィール」の順番で読むことは、そのまま時間のエコにつながる、情報過多の21世紀の令和の時代には欠かせない読み方と言える。つまり、先生の読解法(入試問題で使えるかどうかは置いておいて)は、時代を大きく先取りしていたのである。まだケータイ電話がハマグリの如くパカパカする前の話であるのだから、ガラパゴス以前の時代に「スマホ読み」を提案されていたのである。いやはや流石。アンモナイト化石も動き出しそうだ。