思考力

クラシックな木目綱渡り

 

もはや、呆れるばかりである。時代の最新ニュースは、コロナの新規感染者数の増減がズラリと並ぶ。インフルエンサーや、各界の著名人たちのコロナ関連の動画では、ワクチンを打つべきなのか打たないべきなのか、結局結論が出ないと分かっていても、結論が出ないということそのものを、大袈裟に語りかける。すると、ますます視聴者を煽り立てようとするメディアの戦略の勝利となる。

いま、ふと思ったことだが、仮に、この訳のわからぬ感染症のが発生していなかったら、どんな報道がなされていただろうか。やはり、コロナがなかったとしても、くだらぬ芸能人の不倫だの、誰かの発言が炎上しただののゴシップ情報で溢れ、世間の注目は、どんどんネガティブな方向へ向かって行ったはずだ。とはいえ、自分はどうだ。やはり、真昼間にスケボーを蹴っていたり、早朝にサーフボード入りの車のエンジンをかけたり、挙げ句の果てには、釣り上げた魚を近所に配り出す始末。良いことと捉えられているのかは分からぬが、奇怪な中年が引っ越してきたと、近所の人たちも思わざるを得ない。

また、私は、スケボーとサーフィンとフィッシングという、3種のマリンスポーツを、万遍無く実践できるほど器用ではなく、一度火がつけば、どれかに思いっきりハマり込んでしまう。サーフィンのウォーミングアップにスケボーを蹴り、サーフィンの後に仮眠を取ったら、釣りをするなんて強者もいるが、私には到底不可能である。一度愛した妻がいるのであれば、絶対に浮気はしないだろう。いや、一旦、浮気をしてしまえば、あとは泥沼化せざるを得ないような「イケナイ関係」の深みにハマり落ちてしまうに違いない。物欲の塊で買い物ばかりしていた頃を考えれば、やはり結婚はムリだ。

ここからは、夜の八時に書く文章になる。前の段落までは、眠れない夜の追加の頓服薬より、はるかに効果があると実感している入眠導入作業だ。不眠に焦り出したらブログを書くと、アタマがクラクラして眠くなるという副産物を利用して書くというもの。コレで、眠れなかったことは、ほどほどないので、不眠症業界では、かなりのブルーオーシャンの発見をしたということになる。コレが、バズって、3種のマリンスポーツを、毎日遠慮なく行えるような日々を求めたいものだ。

働きたくないのではない。むしろ、働きたくて仕方がない。ただ、私の仕事に対する考えというのは、やはり金銭が絡むと、一気にギスギスしてしまうような気がする。こんなアマイ考の経営ではいけないのだが、やはり、“FIRE”を達成したら、大学生のバイト程度の授業料で、特に、経済的に苦しい学生や、引きこもりやニートの人たちと学習する機会が欲しいと思っている。しかしながら、やはり、このような絵空事のような理想郷というのは、ただのキレイゴトとしか捉えられないのだろうと思う。

では、書き始め開始から30分経過した20時半に、私の今日の1日のイベントの中から、印象的だったことを書き綴ろうかと思う。もちろん、くだらぬ雑記ブログを書くつもりはないので安心して読んで欲しい。そもそも、眠気を誘発させる記事や文章は、アタマがグラグラとしている中で書きつつ、これ以上覚醒不可能だという状態で横になるのだから、文章が完成した状態では終わらない。だから、しっかりとした意識の中で、今日1日の事柄とリンクさせて、文章を組み立てる。コレは、いつものことでもある。

日付跨ぎで眠気誘発ブログを書いて夢の中に入ったとはいえ、起きたら釣りに行くことは確定していたので、目が覚めたのは、午前3時くらい。ほとんど「仮眠」に近い。もちろん、そのまま眠ることもできるが、現在の私の心を鷲掴みにしている「フィッシング」は、己の三代欲求を、はるかに凌駕しているので、なるべく音を立てぬよう、あらかじめラゲッジスペースに釣り道具を乗せてあるクルマを、ゆっくりスタートさせた。ジェントルマンの私は、運転席を閉める音にも気を遣い、半ドアでスタートすることもある。

相変わらずの峠の道もなんのその、愛想ゼロを遥かに下回る、24時間営業の釣具屋の爺さんに、コマセのカネを渡して、海釣り施設に向かう。同じくコマセを購入していく同じ目的を企てている連中も多い。十中八九、同じ釣り場の駐車場で再会することとなる。もう、そこの釣り場も慣れたもので、大体の釣竿を出せるスペースは分かっているので、多少強引に釣り座を空けてもらえるかの確認をして荷物を置く。これまた、長年の勘で、愛想良く譲ってくれそうな人も識別できる。不思議なものだ。

結局、開園直後に釣り座を空けてもらうという行為は、すでに土地を獲得した他人と他人の間に、土地を譲ってもらって、家を建てることと同じであり、譲ってあげる立場の人も、なかなか良い気持ちはしない。ただ、ここで一声かけられるかどうかは、特に、管理釣り場でのルール以前のマナーである。左が愛想悪くて、右が愛想がいいなら、右寄りに荷物を置く。そして、これから釣れることを願って、笑顔で検討を讃え合えれば、その日の釣りは、とても楽しいものとなる。

今回は、特にレアケースで、両隣共に、2人組だった。すると、必然的に私一人の世界になるのかと思いきや、私は、魚が釣れた人を褒めることには長けており、そこから一気に距離を縮める能力がズバ抜けている。コレを、街中でやる勇気があれば、結構、ガールフレンドができたかもしれないし、結婚しているかもしれない。いや、冒頭だったかで書いたように、それは不可能に近い。いわゆる「チキンハート」という軟弱な人間なのだ。

それにしても、今日は、とてもよく釣れた。バンバン魚が上がってくる。もはや、さんざんバカにしていた「サビキ釣り」に、心底惚れ込んでいる。隣の若い男の二人組と、まるで友達感覚で釣りを楽しんでいた。すると、「バキッ」という音と共に、竿が折れてしまった。餌をつけるときに捻じ曲げるという行為で折れた情けない終了の仕方だった。

この竿で、ドップリとハマったボートでの黒鯛釣り。想い出がいっぱい詰まっていたのだが、釣具屋に行っても、同じ穂先を探しことも、同じロッドそのものを探すことも困難だということだった。今、とにかく金欠だ。50円の差でコマセの種類を選び、10円単位で買い物をする。そして、自分が釣った魚で食欲を満たせば、もはやカネは多くかからない。もし、冷蔵庫を買えれば、釣った魚を冷凍保存するなりして、食欲を抑えられる。

もはや、自分の中では、味などどうでもいいとも思っている。それに、先ほどまで泳いでいた魚が、マズイわけもない。特に、イワシやアジなどの小魚は、非常に栄養価が見直されているので、とても健康的な食生活となる。洗面台にしか鏡がないのだが、上半身は、すでにエヴァンゲリオン。壊れた体重計を断捨離し、それ以来、新しく購入したわけでもない。だから、今、自分の体重が、一体何キロなのかも分からない。

ただ、欠かせないのは「ガソリン」。非常に重い車体の私の相棒の喉の渇きは、異常に早く到来するので、コレばかりは、ハイブリッド車や軽自動車を羨望するばかり。そして、明日明後日で、やっと多少のカネが入るので、ほとんど売るもののない私の部屋を見渡して、釣具をかき集め、売却をしに「リサイクルショップ」へ行った。もはや、超常連客。せどりの鬼とでも思われているのか。それは、過言だ。

すると、駐車場に、なんとセドリックのワゴンが停まっている。通称【y30】。どこからどう見ても角張っている。サイドは木目。ホイールのスポークも綺麗に放射線状に光っている。コレは、もうオーナーを捜して車内を拝見させていただくしかない。サーフィンのステッカーが張り巡らされているクルマのオーナーだ。やはり、サーフボードコーナーにいた。70‘sのヒッピースタイル。コレは、ホンモノ。チャラチャラしたサーフブランドモノの洋服などではなかった。

話に花が咲き乱れ、車内どころか、助手席に座らせてもらって、軽くドライブまでしてくれた。サーフィンの話も、どんどん弾む。連絡先は、教えてもらえなかった。ただ、私の中でも、付かず離れずの関係を保つということを意識しているので、全く気にはしていない。そして、何やら、次に会える日が、すぐに来そうな予感ばかりがした。

とても不思議である。本来、釣り竿が折れ、釣具屋に収集不可と言われ、同じ竿も、ほぼほぼ入手不可能と言われつつ、セドリックのワゴンと、そのオーナーにで会う。そして、サーフボードの話や、クルマの話。サーフィンの歴史的なことなどの深い話などができた。この今日の綱渡り的な出来事でさえ、時間的タイミングの奇跡が成したもの。今、車の中には、釣り竿ではなく、サーフボード2本と、ウェットスーツが収納されている。なんとも、浮気が始まり出しているようだ。

外に出なくても、ネットの世界で容易に誰かと出会える時代。ただ、目的もなくブラブラしていれば、何かの目的を自分自身が持っていたことに気付かされるような出会いが転がっていることも分かった。今、とにかくカネがない。ただ、今、とても贅沢な時間を過ごしている。それは揺るぎない事実である。

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